Meshell Ndegeocello

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Ventriloquism (2018)

待望の新作ですが、何とR&B/ソウル・クラシックのカヴァー集らしいですね。しかも80'sから90'sにかけての楽曲ばかりを選曲!一体、姉さんに何が起きたのか?

とはいえ、Meshellは元々ソウル・ミュージックの歴史にはとても詳しく、過去にもRFTWという、あまりにも意外な選曲で驚かされたことがあります。モータウンの伝記モノでもいい感じで唄っていましたしね。

私自身はといえば彼女と完全な同世代であり、聴いてきた音楽のその大半について、おそらく相当なレベルで被っているはずです。今回Force M.D.'sの"Tender Love"などは、なるほどそう来るのかあとニヤリ。他にもP-FunkやAl B Sure!等、あっと驚くような選曲がされているようです。

オリジナルを知らなくとも、純粋な新譜として楽しめるのは間違いありません。またリリースされた当時の時代背景、価値観等を知ってみえる方ならば、よりこのディープな世界にのめり込むことが可能かと思います。



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# by olskooljam | 2018-03-12 19:10 | Soul

Wayne Shorter

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Speak No Evil (1964)

ソウルファンとしての視点からみたWayne Shorter像といえば、やはりFusion系の凄腕プレイヤーという認識。それはどうしてもWeather Report時代の印象が色濃く、セールス的にもマス・アピールした事実もありますので、致し方ありません?

この作品の録音は64年。メンバーはFreddie Hubbard、Herbie Hancock、Ron Carter、Elvin Jones。楽曲名をみれば何やら哲学的で異質なものがズラリ。

演奏自体のクオリティといえば、流石に文句のないところですが、Elvin Jonesのあのポリリズミック且つ細かく刻む独特のドラミングが、とても聴きやすくミキシングされており、その点に感心。タイトル曲や"Dance Cadaverous"等は、クール且つハードボイルドな世界。帝王Milesの影響が如実に感じられます。

Shorterは現在84歳。いまだ現役(!)のようですが、伝説的なミュージシャンが健在なのは素晴らしいことです。しかしこのような作品を聴くと、Jazzという音楽は、やはり1960年代までには全ての表現が出尽くしていたのだと思い知らされます。


※ ※ ※


最近スピーカー・ケーブルをお気に入りだったZonotoneから、ド定番のBeldenスタジオ・シリーズへと気分転換も兼ねて変えてみました。高音のキラキラ感は無くなりましたが、狙っていた低域の表現力が一段増したことにより、Jazzがとてものことに心地良く響きます。ベースの効いたものやこのような作品を、何度もリピートして聴いてしまいます。

今は極端に便利な世の中で、LPやCDだけでなく、配信等でもいろいろな時代の音をすぐに聴くことができますよね。このこと自体については新作、新曲の寿命を短くするという弊害を感じているのですが、逆に考えれば、昔は聴きたくてもレア過ぎて全然聴けなかったキラー・チューンが、誰でも簡単に聴けるということ。そのことが示すのは、全く新しい概念、方法論を持ったとんでもない音楽家が、とんでもない辺境の地から突如現れる可能性もあるということです(実はひそかに期待しています)。

何もかもが便利な世の中ですが、古い音楽を掘り続け、そして「一枚の新譜」として新たに出会うということ。色々と情報を整理し、調べるための時間は掛かっているのかもしれませんが、もしかしたら今や私は、探し求めた末にという過程そのものを大切にしているのかもしれません。

たまには音楽を単純に楽しむだけでなく、考古学的に考えてみるのも乙なものですね。



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# by olskooljam | 2018-03-10 13:47 | Jazz

Nat King Cole

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After Midnight (1957)

不世出のヴォーカリスト美空ひばりさんは、ジャンルを超越した唄い手ですが、自分が年を重なるごとにその魅力と凄さが理解できるようになってきました。

子どもの時は、茶の間のTVに映るひばりさんを見て、母親から

「ひばりは別格の歌手。私は幼少期のひばりを生のステージで実際に観て、その本当の凄さを知っているからね。」

などと伝え聞いていたものです。しかし私は演歌を唄うひばりさんではなく、たまにジャズやスタンダードを唄う時のひばりさんが、凄くスウィンギーで好みでした。

Nat King Cole1957年の作品。時期的にはモダンジャズ、ハードバップ真っ盛りだったのでしょうか。しかし本人はそんな気など毛頭もなく、本来のピアノとジャズ・ヴォーカルに徹した役割と仕上がり。しっとりと唄われた"Blame It On My Youth"等、素晴らしく落ち着きます。

戻りますが、ひばりさんはこのNat King Coleが大好きだったんですよね。ゆったりスウィングする"When I Grow Too Old To Dream"などは、ひばりさんも好きな世界だったんだろうな。

もしあの"Unforgettable"のように、ひばりさんとNat King Coleを共演させることが出来るのなら...

そのように勝手に考えながら、古き良きあの時代に想いを馳せて聴いています。



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# by olskooljam | 2018-03-03 12:38 | Jazz Vocal

Bill Evans

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Some Other Time:The Lost Session From The Black Forest (2016)

ジャズファンには通称「お城のエヴァンス」と呼ばれ、今もなお愛聴され続ける名盤"At The Montreux Jazz Festival”。リリースは1968年ですから、今から半世紀ほど前。しかしながら録音状態も良く、リマスター盤については何度も繰り返し出されている一枚であり、その価値は今も変わりません。

評価されるのは録音状態は勿論ですが、このピアノトリオ(Bill Evans / Eddie Gomez / Jack DeJohnette)としての活動期間の短さ並びにその超絶的な演奏能力ゆえ。私自身、何度も繰り返し聴き直している作品ですが、確かに例えば"Nardis"などは、一糸乱れぬ演奏という言葉がピッタリ。素晴らしすぎる瞬間が多く詰め込まれている魅惑の作品です。

そこでこの作品。もう出てこないと言われていたそのピアノトリオによる、正真正銘のスタジオ録音。そんなのあったんだ!という驚きと共に世界中で話題になった訳ですが、実際はリハーサルとしての仮録音だったようです。それでもこうして聴くことができるのは、とんでもなく凄いことであり、歴史的な発見!と言われても私は納得できてしまいます。

アナログマスターから起こされた192kHz/24bit音源を実際に聴いてみれば、ファンの感想は色々でしょうが、普通にリリースされていたとしても、普通に良い録音だと評価されていたのでは?と思います。個人的には、ベイスのEddie Gomezは実にいい感じ。ドラムのJack Dejohnetteのプレイ(ミックス)については今一つ。もう少し演奏においても、ミックスにおいても、ドラムを前に出して欲しかったところです。

主役のピアノについては、私は何の不満もございません。どの楽曲においても、いつものあの特別な叙情性とでも言うべき、繊細なタッチが活かされており魅了されてしまいます。やはり今でも特別なジャズ・ピアニストの一人です。

家族が寝静まった深夜。最近は考え事も多くあり、この作品をお気に入りのIEM「Pinnacle P1」でゆったりと聴いています。わずかな時間ですが、一日を振り返るためにはとても貴重な作品になっています。



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# by olskooljam | 2018-02-21 16:18 | Jazz

Kenny Drew

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Undercurrent (1961)

Kenny Drewいぶし銀のブルー・ノート作品。とはいえ、このAlbumの主役はといえば、実は管楽器の二人?トランペットのFreddie HubbardとSaxはミドル級チャンプのHank Mobley。この両者がとにかく気持ち良く、全編にわたって吹きまくっています。

タイトル曲はさすがのハード・バップ。けして間違えてはいけないという緊張感が漂います。ところが"Funk-Cosity"では一転してブルージーな曲調。前者から後者へ見事なソロを廻してゆきます。続く"Lion's Den"でも両者は絶好調。そういえばドラマーのLouis Hayesについては、何と驚くべきことに未だバリバリの現役であり、最新作"Serenade for Horace"についても、秀逸極まりない仕上がりでした。

ラストは文字どおり"Ballade"。美しく丁寧なKenny Drewのピアノに続き、管楽器の両者が見事にテーマを唄い上げます。

こういう素晴らしいAlbumを聴くと、Soulの世界も深いけれど、Jazzの世界も同じなんだなと実感させられますね。



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# by olskooljam | 2018-02-12 18:37 | Jazz