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HIP-HOP、R&Bなど音楽における歌詞の重要性についてエントリー。最近のX音楽界隈の話題?に珍しく乗ってみたいなと思います。とはいえ個人的な所感だけなので、そこまでのお話ではなく、スルーしてもらっても全然大丈夫です。 今回は日本語ラップについて、ネイティヴな方等から見ておかしな英語表現と、押韻についての話題のようでしたが、そのことについては、そうなんだ程度で正直分かりません。分からないというよりも、私自身が日本語ラップ自体をあまりにも知らないので、言及するにはちょっと門外漢すぎるかな?と思うからです。 いい機会なのでここで白状しておきますと、実は日本語ラップでまともに聴いたことがあるのは、ECDさんとライムスターさんくらいです。ヘッズの皆さんならば、当然聴いているであろうブッダブランドさんとか、スチャダラパーさんとかは、嘘みたいですが、な何と一度も聴いたことがありません。ブルーハーブさんに至っては、曲名は忘れましたが、以前Xでポストされていたスニペットかな?を少し試聴させてもらったことがあるのと、今回の騒ぎで初めてその該当曲を、触りだけですが気になって聴いてみたという有り様です。とんでもなく門外漢すぎますよね。皆様すいません。 私は長くブラックミュージックを聴いていますが、もちろん日本の音楽を聴くこともあります。夢中になった日本の唄い手、アーティストはそこまで多くはありませんが、若い頃は柳ジョージさんや、なぜか門あさ美さんなどはよく聴いていた覚えがあります。また久保田利伸さんは、年齢的には私よりちょっと上の方ですが、同時代感があり、一番のピークの時、全盛期にはよく聴いていました。しかし日本語ラップが出てきた頃(80年代の中後半くらい?)は、もうUSのヒップホップを含む、ブラックミュージックにどっぷりと首まで浸かっていました。ですのでそちら方面を聴く時間そのものが、ほぼほぼ無かったというのが本当のところです。 さて本題の歌詞についてです。私は普段から英語の唄はもちろん、実は日本の唄についてもなのですが、お恥ずかしながら、何と歌詞はあまりしっかりとまでは聴いていません。勿論タイトルがどんな意味を持っているのかとか、どんなことについて唄っているのかは確認しますが、正直言いますとその程度です。しっかり歌詞を聴きながら、噛み締めながらリスニングするなんてことは、英語の唄でも日本語の唄でも滅多にありません。 音楽を聴く時は、まず唄も含めた全体の音(サウンド)と曲調、メロディーを聴きます。歌詞は二の次ということはありませんが、この曲ってどんなこと唄っているのかな?というのは、まず全体の音と曲調を聴いてからで、最初はざっくりしか理解していません。これは日本語の唄でも同じです。演歌でもロックでもポップスでも、最初から歌詞をじっくりと聴いて唄を聴くなんてことはありません。音作りやメロディの気に入った曲に対して、そういえばこの曲って、何について唄っているんだろう?となって、初めて知ろうという気になります。 私が好きな歌詞は、その情景が伝わってくるものです。優れた歌詞は小説や映画と同じで、深い感動を与えてくれると思いますが、日本の唄であればダイレクトに。他言語の唄であれば、歌詞カードやサイトに掲載されたリリックを読んで、それを思い浮かべながら聴くようにしています。味わい深い行為ですよね。 そもそも歌詞というのはとても大事で、音楽の根幹をなすものだということは理解しています。歌詞は作者の深い想いや、メッセージなどが込められていますので重要ですし、けして蔑ろにするつもりなど毛頭ないのですが、重度の音楽フリークでも、中にはこのような不届き者も、稀ですが存在する?という訳です。 最近というかここ20~30年ほどでしょうか?R&Bの世界では歌詞がひどくて、特に逮捕された某ケリーに代表されるように、非常に下ネタが多くてうんざりしています。英語は喋れませんが、長く聴いているので、ヒヤリングでああこれはまた下ネタ全開だな~という程度は分かります。そもそもタイトルがI WANNAとかMAKE LOVEとかめっちゃ多いんですよね笑。しかしながらそれは、テディペンだってマーヴィンだって同じといえば同じな訳ですが、只々メイクラヴだけという訳ではなく、もっと何かこう明らかに威厳や風格を感じさせました。理由として考えられるのは、それらはその音楽が生まれた時代や世相を反映させていた訳で、黒人差別が(今もめちゃくちゃ酷いと思いますが)今よりも更に大きくある中での表現でした。辛い現実を生きる中で、心がほっと休まるような、そういう愛の唄の世界があってもいいんじゃないかという、そんな感じです。 実際例えばマーヴィンの場合などは、全く先行きの読めないベトナム戦争の重い時代背景の中、リリースされたWhat’sがあってのLet’sな訳で、そのバランス感覚がなんとも絶妙です。また80年代のソウルを決定づけたMidnight Loveについても、もちろん性愛についても唄っていますが、どん底から復活したマーヴィンの生きる喜びが溢れている印象でした。 今でも差別は至る所にある訳ですが、ざっくりとした印象では、もう90年代以降のR&Bについては、世相を切るようなラッパーには、ほとんどが相手にされていなかったんじゃないかなと思います。例としてレジェンド級のルーサーでさえ、おいおい何リアルじゃないこと唄っているんだよ!みたいに小馬鹿にされていたりしました。ルーサー好きの私はといえば、おいおいそっちこそ何言っているんだ違うよ!というよりは(そもそも狙っているターゲットが違いすぎる訳なので言われるシンガーが可哀そうなのですが)ストリートでの現実や、白人社会で生きていくことの、大変さを反映しているリアルな感じはなく、スムーズすぎる打ち込み音の上でラブソングを唄うだけでは、若いリスナーの心を捉えることまでは、もうなかなかできない時代なんだよなと感じていました。 ただ80年代 にはDEF JAMのソウル専門OBRのように、古き良きソウルの世界を意識した、気骨あるレーベルもあったりしました。そこでは元ラッパーで骨太な唄を聴かせるTashan(例えばSave The FamilyとかHow Ya Livin’など。家族や社会の矛盾など鋭く風刺した歌詞なども素晴らしいです)や、逆にトロットロに甘いOran Juice Jonesなどが在籍していました。その辺りについてはちょっと例外です。 そのような意味でも歌詞はとても大事で、特に若者に火をつけるという意味では、最重要課題の一つな訳ですが、私のように音楽フリークのわりには、英語でも日本語であっても、そこはそこまでしっかり聴いていないという、ちょっと変わった(ダメな)人間もいるということです。 ラップはストリートからの支持がないと成り立たない音楽ですが、歌詞は何より重要です。そのことは充分すぎるほど理解した上で思いますが、それと同じレベルで音作りや印象的なメロディーやフックなど、楽曲そのものの良さがまずドン!とないとなと思います。世界中のコアなヘッズを唸らせてきた楽曲というのは、必ずその両方(深みがあって且つニヤリとさせるような歌詞と曲そのものの良さ)が担保されています。更にマスにもアピールするためには、分かりやすい歌詞と分かりやすいメロディ、フックが必要かなと思いますが、そうなると今度は、そのためにどの程度セルアウトするのか?といった尺度が出てきますので、実際は難しいんだろうなと思います。アーティストによっては、レーベルの意向等によって、そこまでやる?っていうほどセルアウトして、その後に自分のやりたいことを実現した、渋い作品を出すというパターンもあるかと思いますので、業界で生きていくということと、アーティスティックな面を両立させるというのは、本当にバランスが難しいんだなと思います。 個人的にHIP-HOPを聴いていて悔しいなと思うのが、歌詞が物凄く深くて、しかし曲やメロディ、フックについては、そこまで強くはアピールしてこない楽曲やラッパーについてです。英語の勉強不足により、残念ながら歌詞が一発では頭に入ってこないので、その本当の良さが分かるには、随分と時間が掛かってしまったり、結局はよく分からなかったという部分。物凄く凝った深いリリックを、しっかりと押韻させながら聴かせるけれど、メロディそのものにはそこまでインパクトがない曲や、またリリカルで知性的なラッパーの本質的な魅力については、コアなヘッズの方のみが、心底堪能できる特別な領域なんじゃないかという認識です。ですので英語もろくに喋れない私は、本当の良さまでは理解できないんだよなと感じています。ここはすごくすごく残念で悔しい部分です(ザブングルじゃないですが悔しいです!)。 ※ ※ ※ 今回は所感だけですが、このような議論については、みんなそれだけ深くこの音楽を愛しているんだなということです。それと、ブラックミュージック(=広義のアメリカの黒人音楽)は大昔からその成り立ちが特別すぎる音楽であるということです。ミシシッピーバーニングや、数年前でいうとグリーンブックという映画がありましたが、永遠と続くような人種差別のとんでもなさが、よく分かるように描かれています。私は元々小中学校の頃に、キング牧師の演説を聞いたり、TVのルーツシリーズ等を観たりして深く感動し、悲しすぎる奴隷の歴史と成り立ちを持つ、この特殊すぎる文化にのめり込んでしまったというのが経緯ですが、音楽を深く聴き込むようになって、更にその重みを感じています。 また姉が刑事スタスキー&ハッチの大ファンで、一緒に観ていた私は、そこに出てくる情報屋アントニオ・ファーガスなんかが好きだったというのもあります(ファッションも好きでした笑)。全くの日本人である自分が、どうしてこうブラックミュージックに魅了されてしまったのかというのは、振り返ればルーツ的には上記の影響なのですが、まさかずっと聴き続けることになるなんて、その当時は思いませんでした。 日本人のように大多数が非黒人の方々については、アメリカ大陸における黒人の歴史に興味や理解がある方だと、ブラックミュージックの本質と特殊性、そしてその魅力がより深く理解できるんじゃないかなと思います。屈折した芸術というか、イビツでILLなんだけど、深い悲しみと同時に、生きる勇気を与えてくれる強い音楽。本当に魅力的で、他ジャンルでは感じることのできない高揚感みたいなものがあります。 このようなことは、私のXで繋がっている音楽関係の方については、皆さん釈迦に説法クラスの方ばかりなのですが、例えば我が家の子どもたち。父親が聴いている音楽がブラックミュージックのみということは理解しています。ですがそこまで深い音楽とは、全く思われていないです笑。何しろ今の世代の聴き手の環境といえば、情報が溢れすぎており、音楽に新しいも古いもないですし、旧譜だろうが、鬼レア盤だろうが何でも聴けます。また次から次へと新譜が出てきます。過去の膨大な音源を、順を追って聴いていくという(面倒な?)ことや、フィジカル(レコードやCD、カセット等)で集めて、そして背景を感じながら、フルアルを一枚じっくりと聴いていくなんてことも、全体としては少なくなってきたんだろうなと思います。 それとこれはずっと不思議に思っていることなのですが、黒人の方はどういう訳か、ほとんどゼロベースに近い状況から、生命力漲る魅力ある音楽を作り出すというか、既存の楽器や機材を、誰もが想定しないような使い方や解釈によって、オリジナリティ溢れる音楽を作り出しちゃうんですよね。例えばダブや808の使い方やスレンテンや、それこそ革命的なスクラッチとか。あスレンテンは使い方が想定されていたかな?でもそれってめちゃくちゃ特殊な能力です。このことについては、誰か博識な方に研究分析してもらって、その原因を探ってもらいたいほど気になっている部分です。もしかして人種的な、いや遺伝子レベルで違いがあるのかどうか。確かに黒人の方特有の、地響きのするような太い唄声なんかは、日本人とは遺伝子からして違うんだろうなと思いますし、アメリカという特殊な国や、天候や食生活、その土壌なども、もしかして影響しているものなのかもしれません? ブラックミュージックの楽しみ方は色々あって、聴く・ライブに参加する・探す・集める・飾る・眺める・音質を追求する・ミックスさせて楽しむ等々。係わる一人一人によって、違う個性があって良いものかと思います。しかしながら複雑で深い歴史がある文化圏の音楽ですので、ここは子どもたちに伝えていきたいなと思っています。それと、私たち日本人はどちらかといえば、何でも器用なほうなので、本場の黒人の方々からみても、日本人って凄いな!なんだよこんな大きく発展した音楽シーンがあるのか!と思われるように、独自性を加えて発展させていくのが、カッコいいんじゃないかなと思います。そう、機材でいうかつての808やスレンテンのように。まとまっておりませんがそのように感じている昨今です。
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by olskooljam
| 2025-10-11 13:21
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![]() 三重県の鈴鹿市にあるAnalog Squared Paper(通称A2Pさん)さんのフルディスクリートトランジスタのヘッドホンアンプTR-17hp。こちらは昨年正式にラインナップに加わったポータブルアンプ(ポタアン)のようです。同社には元々TR-07hpという機種があり、オーディオファイルの方向けの知る人ぞ知る製品ですが、根強い人気を博していたようです。私はかれこれ5年以上前にその存在を知って以来、ずっと気になるWANT機器の一つでした。しかし当然ですが、直接触ったり音を聴いたりという機会などありません。ウェブ上で情報をみて、ただただ憧れていた商品の一つでした。 個人的には2022年になってからXを開始したことで、X上にある新製品情報をみることができるようになりました。そこで07hpはすでに製造中止になっており、17hpはそれを踏まえての、後継機種として開発中だということが分かったのです。元々07hpは、古くからのオーディオファイルの方からの評価が高く、中古で市場に出てきたとしても一瞬で売り切れてしまうような状況でした。しかしそれを中止して、後継を出すということは、A2Pさんとしても力の入れ具合が違うんだろうなと想像していました。ただそれが一体いつになるのかは、まだその時点では分かっておりませんでした。 ところが2023年になって状況が変わります。REB-FESという体験型のイベントが全国規模で開催され、東海地方では8月に名古屋で開催が決まったのです。そこに何とA2Pさんも参加されると聞いて、これは同社の製品が試聴できる大チャンス!ということで、勇んで参加させていただきました。 振り返りますとこのイベント自体、とても落ち着いた品の良い試聴会でした。ブースの中の方は勿論ですが、来場者の方も変なテンションの方はおらず、A2Pさんのブースについても、じっくりとお話を聞きながら、ゆったりと製品を聴くことができましたので、良い印象しかありません。ポタフェスも良いですが、それよりは小規模で楽しめますので、できればまた再開してもらいたいなと考えています。 ただ、そのイベントでは残念ながら07hpや(その時点では新作予定であった)17hpは用意がされておらず、試聴はできませんでした(まだ17hpの説明書だけの状況)。その代わりに試聴させていただけたのが、TU-05mk2。ポータブルというには、ちょっと巨大すぎる真空管アンプ。あまりの大きさに、そこまで(ポータブルとしての運用という意味で)興味は持てなかったというのが本音ですが、これにガツン!と衝撃を受けてしまったのです。 送り出しには、手持ちのNW-WM1Zを使用したのですが、出てくる音の純度。これがもうとんでもなかったのです。真空管ってこういう音だよな、と思わせるには充分と言いますか、自然な立体感と、また滴るように瑞々しい音なのです。中低域の安定感についても、据え置き級。いや完全に据え置きから出てくるレベルの音。びっくりしてえ?なんなのこれって笑。思わず口が開いてしまったほどです。 まとめますと、要は音が極めて自然で生々しいのです。これをポータブルで組み上げちゃうA2Pさんて、いや一体何て凄いメーカーさんなんだ!と感激してしまいました。おそらくポータブル専門メーカーの方が聞いても驚くほどの高音質で高品質。要するにとんでもない訳です。A2Pさんってちょっと別格だよなと感じるには充分であり、その場で17hp情報について色々聞いてしまいました。 興味深かったのが、その時点ではまだ決まっていなかった出力端子についてでした。前機種で採用されていた3.5端子(シングルエンド)にするか、それとも4.4端子(GND分離)にするのか、まだ少しだけ迷われているとのこと。A2Pさんにお聞きしたところ、まずそもそも入力側をシングルエンドにされた経緯についてですが、素子数が少なく、駆動力が上がるのでとのこと。BTL(広義のバランス)については、パワーそのものは出るものの、半導体を2倍通るのでダレ(※厳密には負荷からみたアンプのインピーダンス)が大きいという、そのような側面もあるという訳らしいんですよね。個人的には4.4端子(GND分離)の純度の高いすっきりした音も魅力がありますが、やっぱり長く聴くとなると、ピラミッド型で安定した3.5端子(シングルエンド)。二者択一であれば、後者が良いですと伝えた記憶があります。 その後、紆余曲折ありまして、注文できたのは昨年後半ですが、A2Pさんはさすがに長期に渡り注文が続いているようで、実際入手できたのは今年の春になってからでした。 ![]() 筐体について 評判の良かった前作とほぼ同様のデザインのようです。無駄がなく、質実剛健。ミニマム的な美しさが感じられて、個人的には非常に好みです。表面についてはオプションを活用させていただきまして、シルバー基調のアルマイト加工としました。触ってみると特に質感が非常に高いです。上蓋については、私のモノはわがままを言って(オプションで)、サンドブラスト加工にしていただいているのと、ボリュームつまみも艶有にしてもらいました。ちょっと特殊な仕様ですが、ワンオフのこの1台だけという特別感が増して、愛着も湧くというものです。サイズについてはW60 H117 D23mm。重量は200g。片手で持てる程よいサイズであり、また重量感についても非常にしっくりときています。程よい重さです。それと地味に凄いお気に入りなのが、ボリュームつまみのトルク感。これが適度に重さを感じさせてバツグンに良いのですが、これは実際に触っていただかないと理解できません。ホント心地よく廻せます。 ![]() また現在は不明ですが、私の注文時は標準のオプションで、アクリル製の上蓋が付いてきました。これを使用すると、試聴時に内部基盤の状態をみることができます。中身の基盤は一部空中配線になっており、見た目でも美しいですし、こういうちょっとした仕掛け、遊び心が楽しいですよね。それと内部には何とトロイダルコアトランスがドンと鎮座しています。このサイズのポタアンでは正直ちょっとありえません笑。このような拘りの仕様が、17hpのヤバさを象徴、助長しているのかなと思います。 出力・仕様他について 16Ωで800+800mWというちょっと驚きの高出力仕様。このサイズではありえない?くらいのハイスペックです。手持ちではHD650やPinnacle P1を組み合わせてみましたが、難なく余裕をもってドライブできました。その影響もあるのか、バッテリー駆動時間については、概ね6時間程度とのこと。こちらは筐体のサイズを考えれば、まずまずといったところでしょうか。普通にリスニングする分には、2日使用して1回充電というようなイメージでいけるかなという印象です。仕様についてはBTL出力も魅力的でしたが、最終的には結局シングルエンドへの変更をお願いしました。 音質について いつものように?組み合わせるのは主に以下のような機器類です。 ヘッドホン・イヤホン Sennheiser HD 650 Mee Audio Pinnacle P1 Beyerdynamic Astell&Kern AK T8iE(初代) Klipsch Image X10 (MOD) AFUL MagicOne etc. DAP等 Sony NW-WM1Z tueks BT-02 (MOD) tukes BT-1/4” Apple iPod CLASSIC iFi xDSD Gryphon etc. 音源 ジャズを中心としたDSD・FLAC・ALAC・AAC(320) ![]() Earl Klugh - Solo Guitar (1989) アール・クルーのこの盤は、余計な音が入っていません。唄やオーヴァーダブもなく、完全にアコギの一発録りみたいな作品です。そのため、純粋に弦楽器の魅力が堪能できます。それゆえ再生機器の持つ性能を試すにはピッタリの一枚。こちらをBT-02とHD650の組み合わせで聴いてみました。 ![]() BT-02はオリジのエフェクト成分を完全オフに変更したものですが、素直な音質傾向となっておりクセがありません。程よい透明感もあり、単体でも充分なリスニングが楽しめる極上の一台です。650は知っての通り、元々が緩めの音質傾向のため、キレが悪いアンプとはあまり相性が良くありません。また感度はともかく300Ωというインピーダンスが鳴らせる敷居を高くしていますが、17hpはHD650を難なく駆動します。駆動するだけではなく、HD650本来の緩めで曖昧ともいえる音にプラスして、17hpが程よいキレ味と、少しだけ明るく立体的なプレゼンテーションが加わってくるような感じです。 ここで上流をWM1Zに変えてみると、グッと立体感というか、実体感みたいなものが増してきます。音を言葉で表現するのは難しいのですが、この組み合わせは更に好みでした。たったギター一本の作品なのに、奥行きと自然な余韻が感じられて素晴らしいです。いつまでも聴いていられるという感じ。単体BT-02においてはもう少し音が柔らかくなる感じです。ただ聴き始めるとそんな細かいことは忘れて、純粋に音楽に没頭してしまう。そのような没頭する音を、聴き手に伝えるギアとしての役割を全うするアンプという感じです。 上記のように17hpは、上流の影響を確実に伝えるという意味では、好みで音質傾向を変えることができるということですので、またそのような意味でも自由度って高いなと思います。もちろん17hp固有の音というものはありますが、変なクセは感じられません。以前も同様のことを書いた記憶がありますが、ポータブルアンプ(通称ポタアン)については、今まで数えきれないほど聴いていますが、そんな中で17hpは最初聴いた瞬間に「あー。ん?ちょっと待って。違う。あこれは音の深みが全然違う!ええ?」とそんな感じで驚くパターンです。 ![]() 比較対象として、ああこのポタアンに似ているなあとかいう機種はあまりありません。手持ちでは例えば(充分温まった時の)KATZE AXEL SP。こちらはレアな真空管アンプですが、しいて言うなら、無理やり似ているかなあというレベル。もちろん全然違うのですが、17hpは基本フルディスクリートのトランジスタアンプですのに、音色的にはどういう訳か、真空管のような倍音感や艶感を感じさせてくれるのです。MOS-FETが使用されているという部分も大きいのかもですが、その辺りのトロリとした味わいが、極めて自然に感じられます。具体的には、高域~中音域にかけての表現力。これが如実に他の(一般的な)ポタアンとの違いを生んでいます。生々しいまでの唄声や溜息等の質感。不要なエフェクト的な響きではなく、弦楽器類などのキュッキュという弾く音。そのような音色、響きがバツグンなのです。 また音の土台となる低域についても、安定感が感じられます。程よく引き締まっており、カチカチの筋肉質という訳ではないですが、まるでプロレスラーのように強くて、そして弾力性のある筋肉。例えが微妙ですが?そのような魅力ある低域が支えており、目を閉じ聴いていると、まるで据え置きSPのような印象を受けます。聴いていて、いい意味でほとんど違和感がありません。何というか、ピュアオーディオ的な自然の立体感が感じられ、極めて生っぽい音色なのです。 IEMとの相性について ここはちょっとだけ個人的なお話というか、私自身の問題についてです。17HPはHD650やPinnacle P1のような、一般的なDAPやアンプではちょっと鳴らしにくいものを、しっかり駆動させる弊害?で、ノイズフロアについては若干高めな仕様のようです。高インピーダンスのHD650では、ホワイトノイズを感じませんが、P1やX10では挿した瞬間に(そこまで大きなレベルではありませんが)薄くですがはっきりと感じられます。気になって音楽を楽しめないというレベルではないものの、やはり無音から音楽が立ち上がってくる瞬間を味わいたいんですよね。そのような意味では、私のようなIEM派には、ノイズフロアが低いほうが勿論ベターな訳です。特に50Ω/96dBというスパルタンな仕様のP1で、ホワイトノイズが出るのは、ホント据え置き級な訳です。17hpはポータブルアンプではあまりない、凄まじい出力ということが分かります。 ![]() そこで対策として、写真のようなアッテネータを導入してみました。こちらは高品質すぎるカスタマイズで有名なE4UAさんに無理を言って、ワンオフ品で作成いただいたものです。通常の(一般的に入手可能な)アッテネータ類では、どうしても音が籠る、音質が落ちる、大きく変化するというような弊害がありました。アッテネータは何種類かコレクションしているのですが、手持ちですと10PROに付属されていたものが実は一番音が良くて、今まではそれをメインで活用していました。音の良さというか、変化量の少なさという意味では、構造的にT型(並行)が一番良いというのが定評です。その為、構造的に変化が少ない並行式のT型で、そこに評価の高いパーツを組み合わせたアッテネータがもしあれば、17hpでもノイズレスでIEMが楽しめるんじゃないかなと考えました。 100Ωと56Ωと2種あるのですが、結果どちらも良好でした。抵抗用のパーツには、定評あるVishay/DALE CMF55を採用いただきましたが、勿論音質変化はあるのですが、基本的な音の傾向については変わらない感じです。DDに対して変化量が多いと言われる1BA方式のX10は、例えばハイ上がりになったりするなど、影響があるかなと思いましたが、そのような悪い変化は感じさせません。こちらも17hp同様で、めちゃくちゃお気に入りの逸品です。 こちらのアッテネータをX10と組み合わせた印象としては、X10本来の滑らかな中音域中心で優しい音色が、より助長されるような感じです。ホワイトノイズについては、元々が50Ωですので、56Ω追加でも充分という感じですが、100Ωであっても、17hpはパワフルですので全然普通に駆動してくれます。勿論どちらについても、ホワイトノイズは全くといって良いほど感じさせません。また変に歪みが大きく出るとかもなく、安心して使えます。こういうアイテムは、ノイズを下げるのと同時に、機器が本来持っている生き生きとした音の魅力、そのようなものまで一緒に消してしまうという面もあるのですが、このアッテネータに関してはその点でも問題ありません。17hpなど高出力のアンプにIEMを合せる場合は、汎用性もあり必須ともいえるアイテムとなっています。 ※ ※ ※ まとめ 好みはありますが、17hpは(私が聴いてきたポータブルアンプの中では)間違いなく最高峰に位置するような、素晴らしい一台かなと思いました。据え置きでヘッドホンリスニングする際の、あの落ち着きリラックスした空間や時間。アンプがしっかりドライブできるからこそ実現する特別な世界です。あの世界感を、このサイズ感のポタアンで実現されたのは凄いの一言です。サイズ的な要素を加味すると、この大きさでこの音という意味では、本当比類がないというか、正直あまり思いつきません。例えばCayinさんのC9やLuxury & PrecisionさんのEA4とか、音も見た目の(良い意味で)お化けみたいなモノもありますが、どちらもサイズ的には大きめです。また音の方向性的にも個性的すぎる?ので、MOS-FETの特徴も生かされた、自然で色付けの少ない17hpとは、方向性が似ているようで、少し違うのかなという印象です。 確かにIEM使用時での、若干のホワイトノイズという部分はあるにせよ、ヘッドホン派には関係のない話ですし、こと音楽を楽しむという面においては、それはそこまで大きな問題ではありません。基本的に優れた音質が担保されている一台ですので、私のようにアッテネータを組み合わせるなどで、使い勝手や伸び代が、むしろ大きいのではという印象です。 17hpについては、音質的にはこの現ロットが最終決定版らしいのですが、なんでも今後はBT機能の追加や、IEM専用(!)のものなども検討されているとのこと。ますます楽しみな状況ですが、A2Pさんトコはバックオーダーが山積みのようですので、実現にはもう少し時間が必要かもしれません。今はまずは今あるこの素晴らしい17hpを何とどう組み合わせ、どう使っていくのか。ポータブルオーディオの世界は進化が止まらないので、まだまだ凄い製品が出てくるのかと思いますが、ここまで良質な音を聴かせてくれるのであれば、もう文句なしです。手持ちの機材や、あるいは市場で入手可能な製品も含め、じっくりと考えて組み合わせていきたいなと思います。
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by olskooljam
| 2025-07-18 10:41
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![]() scene from the movie classic "Intouchables" 最近はXについては頻繁に更新しているのですが、このブログはもうヤバイほど更新できていません。以前は月に数回だったのが、年に数回というレベルまでに低下。特に昨年なんて酷かったです。でも結局今はnoteが主流なので、旧式なブログ自体が既にオワコン?とは言わないのですが、あまり人気がないのでしょうね。昨年末になってようやくボチボチ更新することが出来るようになりましたが、世の中はどんどんスピードアップしていますので、ついていくのが大変です。今でさえXとブログすら二刀流ができていないので、流行りのインスタなんか絶対無理なような気がします? さて本題ですが、タイトルの通りです。このブログを始めて、何と既に20年近く経過しているという事実が凄いのですが、一番驚くのが自分が完全に中年ミドル期になったということです。まだまだ若いぞ!という気持ちがあったのですが、小さかった子どもたちも今ではすっかり成人に。体格には結構な自信があったのですが、背丈なんかももうあっという間に抜かれてしまいました。特に上の子なんかはもうプロレスラーかというようなデカさで、会うたびうわ!と驚かされます笑。私自身も最近の健康診断では、20代の頃と比較しますと、なんと1cm以上も身長が低くなっていますので、そのような面でも月日の流れを感じています。 そういえば最近は、街ですれ違う若い人たちについても、顔が小さくて背が高くて、みんな何かスタイルがいいんですよね。これは世代の違いなのか、食生活が欧米化してきたからなのか分かりません。しかしアジア人として地味にすごい進化を感じています。 30年近く前ですが、初めてロスやハワイに行った時のことです。行く前は、背丈や体格で、日本人である自分は小さいほうなんだろうなと思っていました。ところが実際は感じる場面がほぼなく、そうかもう日本人の体格が平均的なアメリカ人に大きく劣るという時代ではないんだなと実感できました(もちろんアメリカにはとんでもなく縦にも横にも極端に大きな人がいるので、そういう方は比較対象外です笑)。今の若い世代だと平均的に更に大きいので、海外へ行っても、引け目を感じる場面が更に少なくなってきているんじゃないかな?と思います。でもこれって実は結構重要なことで、見た目で如実な差を感じないことでそれが自信につながり、グローバルな活躍ができるという一面は、絶対あるんじゃないかなと思います。 そのような訳で、若い時は自分がこんな年齢に達するなんて、分かってはいるけれど、そんなのはもっとずっとずっと先の話。時間は永遠にあるんだから、なんてという意識でした。ところが実際は(当たり前ですが)そうではなく、月日というものはあっという間に過ぎてしまいます。当たり前なのですが、誰もが知らない間に年老いてしまうのです。 音楽を聴くことと映画を観ること。人生の中でその2つが、大きなウェイトを占めている私の趣味は、時間との闘いでもあります。もっとも多感な時期である学生時代は、勿論勉強をしなくてはいけなかったのですが、その勉強時間を作り出すことと、趣味の音楽・映画観賞を両立されることが、どうしてもできませんでした。皆が必死で勉強していたり、部活に打ち込んでいたりする時間は、私の場合大半が趣味の時間に充てており、大事な年齢の時期を完全にそこに費やしてしまいました。 そのおかげで学歴というものには、ちょっとしたコンプレックスがあったりします。ですが若い時に趣味を大いに楽しめたということで、その分だけ?見極める感性だけは、結構磨くことはできたような気がしますので、まあトレードオフということで仕方がない?と言い訳しています笑。 結局私みたいに趣味に対する人生のウェイトが大きい方は、功罪両方という感じです。例えばプロのミュージシャン。大変な憧れがありますが、共に音楽好きという視点で考えると、ミュージシャンになるのは(勿論絶対になれませんが)若干抵抗があります。自分の音楽を追及するには、時間を掛けて良い楽曲を作っていく必要がありますので、私のように音楽を聴く・集めることが趣味の方だと、その分だけ趣味の音楽を楽しむ時間が削られてしまいます。時間軸に限ってでいえばですが、ミュージシャンの方は、自分の音楽を極めることに多忙ゆえ、他人の音楽を楽しむための充分な時間は、どうしても少なくなる訳です。そう考えますと音楽鑑賞が趣味の方は、結局はより深く広く、世界中の音楽を楽しめているんじゃないかなと思ってしまいます。 例えば全然別ジャンルですが、野球界のスーパースター大谷翔平選手。成し遂げていることはただただ圧巻でヒストリーマン。もう凄いの一言です。野球については王さんや星野さんがまだ現役だった頃から観ているオールドファンですが、メジャーでホームラン王になる日本人が出てくるなんて、到底考えられません。圧巻を超えてくる信じがたいレベルの選手です。ところが大谷選手が移動中とかに、よくヘッドホンで聴いている音楽。あれって邦楽なのか洋楽なのか、ジャンルはおろか、何を聴いているのかは全く知りません。おそらく勝手に想像するに、普通のヒットチャートに上がっているような、世間でも人気のある今時の楽曲群等ではないのでしょうか。Xでよく出会うような、ジャズやソウルやヒップホップなどを、深く掘り進めている重症フリークの方がうおおっ!と唸るような楽曲までは、おそらく流れていないんじゃないかなと想像しています。 しかしそれは当然です。そんな音楽を深く極める趣味の時間など、スーパースターには全くありません。何かを成し遂げる凄い方は、だからこそその専門家なのです。ただ唯一イチロー選手は、ヒップホップが好きで結構なマニアと聞いたことがあります(確かお兄さんが(私も通っていた)名古屋の某レコ屋で、すれ違いでバイトされていたなんてことも風のうわさで聞きましたが、本当かどうかは不明です)。若い頃のイチロー選手はファッションなんかもそんな感じでしたよね。でも大谷選手が例えばヘッドホンで、モーメンツの別ヴァージョンのアルバムや、あるいはトリガーのお蔵入り盤とかガンガン聴いていたら、それはびっくりでさすがにお手上げ。完全降伏です笑。 ※ ※ ※ 閑話休題。本題の時間についてですが、目と耳。これについても時間があります。眼についてはレーシックというのもありますが、どちらも必ず全員が劣化し、消耗していく限りあるものです。そんな中で、今よくみかける風景で特に気になっているのが、ヘッドホンやイヤホンを、もう爆音に近い音量で音楽を聴いている方々です。専門店で試聴させていただいている時なのですが、ごくたまにですが、隣で聴いている方の中に、完全に音漏れしているレベルで聴いている方がいるのです。開放型のタイプであれば、ある程度理解できるのですが、それでもシャカシャカではなく、ドドドド!みたいな、ドリルレベルで漏れ聞こえてくる時があります。そのような方は、どちらかというと若い方が多いです。若さゆえですぐに難聴にまではならないのでしょうが、それでも細かい血管は痛んでいるのかな?と思います。私は心配で思わず声掛けしたくなるのですが、そのことを家族に相談したら 「お父さんはどこでも誰にでも、知らない人でもかまわず声かけるので本当にイヤ!また引かれるよ」 と全面否定されてしまいました。私自身目はショボショボで、耳は調子が日によって違うという状態です。どんどん劣化してくると思いますが、今のところはまあまあまずまず、ボチボチという状況です。そのような訳で、声掛けまではしたことはないのですが、音楽とオーディオを愛する同志として?なんだか心配になっちゃうんですよね。特に今20代30代の方でポータブルオーディオを趣味としている方。音量だけはホント注意したほうが良いと思います。スピーカーと違って、ドライバーが耳に近いヘッドホンやIEMは、細胞に与えるダメージが思った以上に大きいです。特にイヤモニはまだ世に出て30年も経っていない分野。長期間に渡って使用を続けた場合に一体どうなるのかは、実は誰もまだ分かってはいないんですよね。 ![]() 最近はミュージシャンでも、難聴で困っているというニュースをたまに拝見します。例えばAC/DCのブライアンとか、ヒューイ・ルイスとか。国内でも井上順さんとか寺尾聡さんとか。特にドラマーの神保彰さんなんかは、確か聴力検査で「すいません、あのー工事現場で働いている方でしょうか?」と毎回聞かれると発言されていました。ジミヘンとかもそうですが、昔の腕っこきのミュージシャンは、皆イヤモニなど付けずに大音量で且つ長時間連続で演奏していたため、大なり小なり耳にダメージを受けているんですよね。 私も若い時はライブによく行ったのですが、今は正直音の大きさに耐えられなくて、そういう意味で、ちょっとだけ足が遠くなっています。映画館でもIMAXなんかは、ちょっと信じられないほど大きな音で上映していますよね。最近だとマッドマックスとかミッションインポッシブルとか。実際観てきましたが、衝撃的に爆音すぎて、ライブ用の耳栓をしていても、耳がずっとキーンってなっていました。必然的に音が大きくなるクラブとかでも、DJの方については職業的にいちいちIEMをしてなんてことは不可能です。ガンガン鳴り響いている空間の中で、ヘッドフォンで直接音をモニタリングしながら、そして次から次へと音楽を繋いでいく。でもあれは実際相当耳にダメージがあると思いますので、それが蓄積されていくんじゃないのかなと思います。おそらくDJの方はそのことが分かっているので、耳をしっかり休ませているとは思いますが、プレイ時間が長くなる場合などは要注意ですよね。 個人的にイメージしているのですが、おそらくはあと長くて5~10年。ずいぶんダメージを受けてきましたので、これが多分今の聴力をある程度保った状態で、私がリスニングをまずまず楽しめる、残された期間なのかなと想像しています。 ※※ ※ 時間は過ぎていく。どんどん過ぎていく。ただただ過ぎていく。何かをしていても、何かをしなくても同時に過ぎていく。誰もが歳を取ると、そのことを嫌でも実感するのですね。大谷選手や、あるいはXでよく見る各分野に特化した専門家の方は、過去にそれこそ膨大な時間を、そこに費やしてきている訳で、だからこそ偉大であり、且つ圧倒的な存在という訳です。一つのことを極めるということは、それだけ大変なことなんだなと改めて思います。 最近は長年の仕事での激務(ともう言って良いかな)と年齢なりのその蓄積により、体調があまり良くはありません。悪いところだらけで、いつ働くことが出来なくなるのか分からない状況です。若い時は無理がきいたのですが、今や中も外もどこもかしこもボロボロです。正直この先に不安があるのですが、最近義兄と話をしていて、ちょっと驚いたことがありました。 兄は小説中毒で且つジャズ好きなのですが、普通にリタイアする年代ということもあり、最近は目も耳も悪くなってきています。先日なんかはもう耳が調子悪いので、以前は外出の際はウォークマンで音楽を聴いていたけれど、今はもう全然聴いていないよと言っていました。なんでも最近は片耳の調子が悪く、耳鳴りがずっと続いているとのこと。でも今まで充分楽しんできたので、その(年齢なりに目と耳が劣化してきたという)事実を受け止めているし、今できることを楽しんでいるから、そんなの気にしなくても大丈夫とニコニコ笑って言っていました。 このことについては、いつか誰もが通過していくことですので、仕方がないことなのかもしれません。ですが驚いたのが、年齢には勝てないということを、抵抗せずにそのまま、あるがままを、ただ受け止めるというそのスタンスです。兄はやるべきことをやってきた人なので、そのような大局で流れを捉えることができるということなのかなと理解しています。でももし自分がその立場になったら。果たしてそんな焦らず、しっかりと事実を受け止めることができるのかな?と思うと、ちょっと自信がありません。絶対に不安感が募ってくるはずです。 そう考えますと、残された時間をより大切に。大切に日々を感謝して過ごしていくこと。若い頃は太く短く生きる!それってカッコいいよなと思っていましたが、そんなスターのような振る舞いは、現実的にはやっぱり無理な訳です笑。高齢になって、身体が徐々に動けなくなって、映画も音楽も充分楽しめなくなる日が必ずやってきます。ACPではないですが、その日が来るまでには、しっかりと覚悟を決めておきたいなと思います。 ただここで問題となってくるのが集めたレコードやCD、オーディオ機器とかの行方。以前仲良しのソウルバーのマスター(高齢)とそのような話をしていたのですが、やっぱり終活では悩んでいたそうです。膨大なレコードコレクションはお店だけでなく、自宅でも場所を占領しているそうですが、いざ売るとなったらマニア相手であれば、一枚一枚がしっかり価値があると思います。ただそれは家族等に後継者がいる場合は良いのですが、そうではない場合は普通に売却するしかありません。マスターにはこの趣味の後継者がいないので、家族には「専門店に電話して一括で引き取りしてもらえれば良い。連絡先まで教えてあるんだよ」ともう伝えてあるそうです。 私も実際同じような状況ですので、やはり最後は一括買取しかないのかなと考えています。最近Xでも、仲良く相手していただいているmonkycut(@monkycut)さんが同じような内容のポスト(辺境のブックオフなんかでまとまったマニアックなコレクションをみると感慨深くなる)をされていましたが、いやあ一緒ですよね。何だかトホホな感じです。 最後はきれいに。立つ鳥跡を濁さず。理想ですが実際なかなか難しいですよね。まとまったようでやっぱりまとまっていませんが、最近はそのようなことを頭のどこかで考えながら、結局はダラダラと好きな音楽を聴いたり、映画を観たりしています。
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by olskooljam
| 2025-05-16 12:25
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![]() 特に開始当初は、ソウル・R&Bについて猛烈な勢いで聴いており、メジャーモノは当然としてINDIEやレア盤、はたまたお蔵入り盤などなど、正直もう聴きたいものが一時なくなってしまった?ほど。まさにフリーク中のフリーク。ソウル、R&Bの超重症リスナーの一人でした。時期的にも2000年前後は、専門店を中心にマイナー物がもてはやされていたこともあり、信じられないほどチヤホヤされていた時期でしたので、ドップリとその波に飲まれてしまっていたのかもしれません。それらのお皿を今聴くと中にはおお!というのもあれば、さすがにちょっとキツいなというのもあり、玉石混交という印象です。特にINDIEモノについては当時からいなたい部分を内包しており、逆にそれが変な魅力に繋がっていたような気がします。当時も聴いていてスローはいいけれど、ダンサーだけはキツイものが多いなと思っていましたが、その部分が今はちょっとというか更にキツイなという印象です。そのような感覚はあったりします。 ところが今はさすがに月日なりに?変わってきました。年齢なりといいますか、身体がもう少し落ち着いた音楽を求めてきています。順番としてはSOULやHIP-HOPに替わって、JAZZがここ10年ほどでメインクラスに昇格。昔の自分では考えられないほどの変化です。 そういえば昔雑誌で、「BOB MARLEYとJAZZは老後の楽しみ」みたいな記事を読んだ覚えがありますが、いやあ本当その通りです。若い時はMILES等の影響を受けたりして、年をとっても古臭いJAZZなんて絶対に聴かないぞ!みたいな意地を張っていたものです。一時連絡し合っていたあのKIPPER JONESも、名曲CARRY ON..の中ではJAZZやBLUESじゃなく、俺たちはFUNKこそをサポートし繋いでいくのさ、なんて唄っていましたが、心の中でそうだそうだ!なんて思っていたものです笑 ![]() そこでその原因を考えてみました。この10年ほどの間に、JAZZがとても心地よく聴けるようになってきたのは、どうやら趣味のポータブルオーディオからの影響が少なくないようです。イヤホンやヘッドホンでじっくりと音質を確認し、ある意味確かめていく作業。これが小編成のJAZZなんかは、機器によって物凄く音が変わって聴こえてくる訳です。1950年代のステレオ録音の出始めの物であっても、JAZZは録音が良い状態で残っている物が多くあり、それをヘッドホン等でじっくりと聴くということ。これがまあ何とも言えずもう堪りません。当時の録音スタジオの空気というか、共鳴し合う楽器の深い音色が手に取るように分かり、ああ唄モノじゃなくても、こんなにも深い感情が伝わってくるんだなあという感じ。 ![]() Amaro Freitas - Y'Y (2024) 古いジャズだけでなく、現代ジャズにおいても勿論音質は良好です。スタジオで一発録音されたようなものもあり、例えばAMARO FIESTASの2024年盤。リファレンス的なまでの(ちょっと異常な)音の良さです。結局ジャスというか、生楽器主体の音楽自体が、オーディオファイルには良く合うということなのかもしれません。 音質と音楽そのものの魅力。これは相反するものではなく、個人的には同居していることが理想的です。例えばHIP-HOPのBOOM BAPなんかは、ローファイな音が魅力的な部分でもあるのですが、一方でローファイでも出来る限り良い音で聴きたいなという想いもあります。良い音、最良の音というと語弊がありますが、例えば野外や空間の広い場所で聴くHIP-HOPだと、高価な機器ではなくラジカセで聴いたほうが、ちょっと気分ということもありますので、やはりジャンルによるというか、もちろんケースバイケースもあるかもしれません? ![]() Sonny Rollins and the Contemporary Leaders (1959) SONNY ROLLINSのコンテンポラリー盤。西海岸らしくカラっとした音質が気持ちいい定番ですが、これをHD650なんかで聴くととんでもなくイイ感じです。もう何十年も前の録音なのに、まるで昨日録音されたかのようなフレッシュ過ぎる音。各楽器の分離具合も自然で、バラードなんかは酔いしれることができます。 ソウルですとSTAXをはじめとした南部系のモノは、知っての通り録音があんな感じのダンゴ状態。音質を追及するというと、ちょっと違和感があります。あれはゴリっとした、あの分離の悪い音がまた気分ですので、低音を効かせて聴くのがちょうどいいです。 ![]() Rakim - G.O.Ds Network - Reb7rth (2024) 昨年は積極的に新譜を漁った覚えはありませんので、大きなことは言えません。ですが聴いた中で一番感銘を受けたのは、上記のAMARO FIESTAS。それとあと例のRakim復活盤でした。ラキムは前作がちょっとした低調というか、時流をみていたというか、個人的にはあまりハマれませんでした。今回は久々のソロということで、聴く前は正直まあ年齢なりに頑張っているという感じ程度かなと思っていました。ところが現実は違いました。なんと全編ブーンバップ回帰的な、じっくりと聴ける仕上がり。ビートやスクラッチについても自分で手掛けているという拘りぶりです。先行シングルのBe Illも手応えを感じさせるいい曲なのですが、アンカットにも良曲が多い一枚でした。ラキムはベテランというか、もう生きるレジェンドの一人なのですが、それでもいまだにチャレンジ精神を忘れていません。どちらもコアなファンには話題でも、やっぱりマスには届かない作品なのかもですが、もし未聴の方がいましたら、ぜひ聴いてもらいたいなと思います。 ※ ※ ※ まとまっていませんがまとめますと、やっぱりR&B/HIP-HOPをまだまだ全然聴いているじゃん.. ということです笑。実際Xをみていましても、皆さん40代・50代、あるいは60代に突入しても、まだまだ全然R&BやHIPHOPを聴いている感じです(ただジャズ専門の方などは、若い時から一貫してジャズオンリーという方も多いなという感じです。そこはすごく羨ましい部分で、私なんかは色々ふり幅が広すぎて収拾がつかなくなっています。本当に好きなもの一本に絞れる方には、ただただ憧れてしまいます)。そのようなベテランリスナーの方が好んで聴くのは、最新のものというよりは、むしろサンプリング主体で構築されたオーセンティックなものや、あるいは古くからのソウルマナーに沿ったようなものが目立ちます。やはり蓄積された耳の経験から、デジタルが発展途中の困難な時代に作られた重厚なるHIPHOP。そしてソウルやFUNKを求めてしまうのかもしれません。そのような意味では、ことセールス面でいえば、これからはアダルト世代に向け作り込んだものが、ターゲットの一つになってくるのかもしれませんね。 しかし一体いつまでこういう音楽を楽しむのでしょう。楽しむというか、楽しめるのかなというか。高齢になってファッションとかも年齢なりにしていく予定でしたが、休日はいまだにフーディーで、スニーカーという状況です(似合う似合わないは別です笑)。話は別ですが、音楽と映画が趣味で、(どんなファッションでも全然良いのですが)ファッションが置き去りになっているというのは、個人的にはちょっと考えられません。別にブランド物で固める必要性なんて感じませんが、うわこの方絶対に意識しているなと伝わってくることが重要です。髪型についても同様です。もし無くなってしまったら?それはそれで受け入れるしかありませんが、その場合であっても、キャップやハット、あるいはメガネ、ひげなどで常にオシャレに気を配りたいものです。イヤホン屋やレコ屋でもですが、その辺に気を配っている方はカッコイイなと素直に感じています。 今年もはや3月に突入。色々ありますが、先日はコロナ以来会えていなかった友人と、久しぶりに一緒にレコ屋で買い物をしました。どこからどう見てもカンペキなおっさん二人ですが、趣味の合う友人とあーだこーだ言いながら、音楽や映画の話をするということ。いくつになってもこれは楽しいものですね。また今年もJAZZと並行して、HIPHOPもR&Bもまだまだ継続して聴いていきたいなと考えています。
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| 2025-03-06 20:47
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| 2024-12-03 20:18
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