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Billy Harper

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Trying to Make Heaven My Home (1979)

Billy Harper!大好きなサックス吹き。とはいえ私は90年代に入り、そこで初めてBillyの存在を知り聴いたので、完全に後追い。確かMM誌でのマーク・ラパポートさんの記事を読み、当時出たばかりの"Somalia"を聴いて、そこで痺れてしまったという感じです。

この作品は1979年にパリで録音されたAlbum。たった3曲入っているだけなのですが、全曲熱い内容。1曲目のタイトル曲はドラマティックな展開。まるで映画のスコアのように雄大な演奏です。中盤に主役が休み、トランペットが出てくる瞬間が鳥肌もの。

2曲目"Inside"はハード過ぎるフリー・ジャズ。吹きまくり燃えさかるような熱いBillyのサックスに、一歩も引かず完全に追従するメンバー達の演奏もまた素晴らしく聴きモノ。うーん最高すぎます。

John Coltraneはもちろん偉大でありJazzの巨星ですが、Billy Harperもまた偉大ですね。凄いんです。マスには一切アピールしませんが、硬派なファンから愛される素晴らしい一枚。



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by olskooljam | 2018-08-12 01:22 | Jazz

Tank

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Savage (2017)

Tankの8枚目のAlbum。今更ですがしっかり聴いてみました。1、2作前から続くR&B的な様式美から逸脱した路線が、相変わらずアグレッシヴな印象を与えます。

個人的に気に入っているのは"You Belong To Me"と、シングルカットされた"When We"。前者はファルセットで攻めるミッド・ダンサーで、後者はそのものズバリ官能的なスロー・チューン。どちらもTankの魅力全開です。

R&Bもまだまだどんどん進化。もしMarvinが現代に生きていたら、もしかしてこういう感じなのかもしれないと思わせる充実作。



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by olskooljam | 2018-08-10 17:39 | R&B

SATOLEX Tumuri

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最近は中華イヤホンばかり入手し聴くことが多くなっていますが、その音作りといえば、全体的にはやや安易な物が目立つような気がします。いわゆるドンシャリと表現されるような、騒がしい場所などで一聴すると良い音に感じる大変に派手でイケイケな音作りなものです。勿論それはそれで使い勝手が良く、RockやFunkなどのジャンルにおいては、むしろそのようなイヤホンのほうが合う場面が多いです。

私の現在のイヤホンの使用方法はというと、ジャンルや再生機器(DAP、PHPA、iPhone)、TPO等に合わせて様々な種類のものを使い分けていくというスタイル。中にはドンシャリなものもあれば、全く真逆なfinal E3000のように極端にピュア指向なものまで様々です。

写真のイヤホンはSATOLEX社のTumuri。マニア以外にはあまり知られていないようですが、SATOLEXは完全に日本のメーカー。独自の路線とそのこだわりの音作りに定評があるようです。Tumuriは今年の春にリリースされた同社初のリケーブル式IEM(mmcxタイプ)ですが、その頃試聴した感想はといえば「普通」でした。特別個性的な音が出てくる訳でもなく、しかし出音は優しく素直で、上流機器の特徴をそのまま生かすことができるという感想です。ですのでその時点においては購入までには至りませんでした。

中華系の派手なイヤホンばかり聴いていると、当然ですが少し聴き疲れがしてきます。そんな時に思い出したのがこのTumuri。8芯の銀メッキ銅素材のものでリケーブルすれば、見た目だけでなく音にも多少の立体感と厚みが付与され、更によくなるのではと考えて、先月初めですが購入してみました。

まずは装着感ですがこれは微妙です。筐体が軽く小さいため耳にスッポリ収まりますが、その分色々な部分に接触するため、慣れるまでに時間を要しました。今でも長時間着けていると少し疲れてしまいます。とはいえ1時間程度ならば問題はありません。この辺についてはユニバーサルIEMの宿命といいますか、もう完全に個人差が出るものだと理解しています。

ドライバーはDD一発。ハウジングはプラスチック製ですので、仕様とすればこれも普通。インピーダンスは32Ω/104dBですのでDAP直刺しでも充分な音量が確保できます。表面的なスペックは全て平均的な仕様ですから、あとはどのように音をチューニングしてあるのかということです。

肝心の音質。リケーブルする前と後では中高域の煌めきに少し差がありますが、印象は一緒であり中庸。フラットバランスであり、全域が自然に繋がって聴こえてくるのですが、何と言うかその繋がり具合と音色が絶妙です。

例えば中華のハイブリッドKZ ZSR等であれば、切れ味のある中高域とドッシリとした低域で迫力満点ですが、Tumuriは目立つ音域がありません。不自然に強調(ブースト)された帯域がないため、大変にすっきりとしています。すっきりとした音作りですが、一音一音がしっかりとまた正確に表現される為、不足感みたいなものについては皆無。どの音域も大変に丁寧な描写が出来ており、このことについては最終的に音をまとめられた方の感性なのかと思いますが、経験豊かで素晴らしい耳をお持ちなのだと想像します。

私は単体DAP、アナログポタアン、iPhone直刺し等と多様に組み合わせて使用しますが、どの組合せでもTumuriの魅力は充分伝わります。特に良いのがElekit社の名機TU-HP02との組み合わせ。真空管様の立体ホログラム的な音場感が付与された音。この組み合わせにおいては、価格帯が上位であるあのPinnacle P-1より相性が良く、質の良い低音が心地良く響きます。背景が黒く落ち着いており、聴いていて何だか安心できるような音作りです。


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James Taylor - Walking Man (1974)

あのKipper Jonesも敬愛するJTの74年作品。ここからタイトル曲を聴いてみましたが、JTの唄声は非常にスムーズで落ち着いて聴こえてきます。バックはシンプルですが、ストリングスについてはそれなりに立体的。ですが全体のバランスは全く崩れません。アコースティック・ギターの音色も優しく、ひたすらに自然。Tumuriによるシンプルで柔和なる唄世界が描き出されます。


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Jimmy Mcgriff - Groove Grease (1971)

エロジャケ系レア・グルーヴ。このAlbum内容は(いい意味で)B級なのですが、オルガンの鳴り方をチェックするには最適です。定番"Moonglow"では、鳴りっぷりの良いコンガとオルガンのせめぎ合いが聴きモノ。Tumuriではどちらの楽器も魅力的であり、躍動感も充分。タイトル曲の文字どおりグルーヴィーなFunkチューンでは、少々荒々しいまでの豪快なミックスが存分に楽しめます。

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Grant Green - Idle Moments (1964)

BNに残されたGrant Greenのシブい一作。当然まだFunk期ではなくJazz期のGGですが、内容は最高。タイトル曲のスローはブルージーな展開ですが、各楽器の音色がじっくり堪能できます。主役のギターに派手さはありませんが、スウィングの"Jean De Fleur"等では、Tumuriは朗々と唄うようにメロウに音を響かせます。弦の響く倍音具合が何ともいえず絶妙。コロコロと丸く転がるようなVibeの音色も好みの表現です。


※ ※ ※


Tumuriはこれといって際立つ特徴がなく、それでいて不足感があるかといえばまるで無いというちょっと不思議なイヤホンです。小さなイヤホンの描き出す音世界にはやはり限界があるのでしょうが、分析的に聴くのではなく、肩肘張らずに楽しく生き生きとした音楽を楽しむという点において、これは非常に優れた逸品なのかと思います。

視聴環境
・CAS-1- JRMC - 8core Replacement Cable - SATOLEX Tumuri
・iPhone 4s - iaudiogate - DOCK STAAR. DS-AUGmx+α - Elekit TU-HP02 - 8core Replacement Cable - SATOLEX Tumuri
・Fiio M7 -
8core Replacement Cable - SATOLEX Tumuri etc.


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by olskooljam | 2018-08-05 18:08 | Audio