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final E3000

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finalのイヤホンについては数年前からずっと気になっており、いつか購入しようと決めていました。しかし何度試聴をしてもこれだ!という決め手、モデルがなく、また価格帯が相当に上位のモノが多く、しかもリケーブルは不可能。この敷居はとびきり高いなというのが正直な印象でした。

新シリーズのFについては、3100が自然なバランスで好みの音作り。シングルBA方式は本当に魅力的なので迷いましたが、これは残念なことに装着感が合わず。超小型のハウジングが最高に好みなのですが、何故か耳への収まりが悪く、単純にどうしても合わないという耳型相性問題が発生。SoulやFunk、Jazzを中心に聴く私にとって、果たして一体どれが正解なのか分からないまま月日だけが過ぎ去っていました。

結局、何度も試聴し購入したのは写真の安価なE3000。昔ながらのDD一発式で、ハウジングはステンレス製。ケーブルは細く今にもちぎれそうな弱々しいものですが、余り絡まらず取り回しについてはまずまずです。見た目も含め、全体的にfinalにしてはかなり地味な仕上がりですね。中年が所有し日々使用するモノとしては、これくらいの中庸で落ち着いたデザインが良いのでは?と感じています。

個人的に大事にしている装着感については超優秀。普通に耳の中に入れるだけでポジションが一発で決まり、快適そのものです。

音質というか音作りについてですが、これが私には実に不思議です。最新のいわゆるドンシャリと表現されるような、くっきりと派手なイヤホンやIEMとはまるで傾向が違います。まったりと全音域が繋がっていくと言いますか、絹のような滑らかさと表現できるような、非常に優しい出音。刺激的な音など一切出てきません。それでいて、では解像度が低いのかといえばけしてそうでもなく、まずまず細部まで見通せるような懐の深さまで持ち合わせています。

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Temptations - For Lovers Only (1995)

Tempsの1995年のAlbum。AliとTheoという稀代の名シャウター2名を配した豪華すぎる逸品ですが、E3000との相性が抜群。唄もコーラスも少し耳元から離れて聴こえてきますが、音場が広く、余韻までたっぷりと描き出します。ソウル・ハーモニーの素晴らしい唄世界を堪能できます。ウットリするような深いエコー感。絶妙な味付けですね。

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Donny Hathaway Live (1972)

定番中の定番。元々、まったりとした暖かい音色のハモンドが気持ち良すぎる作品ですが、これもなかなか合いますね。ホールエコーと言いますか、実際に会場の中で聴いているような、何とも言えない自然な音の広がり具合が堪能できます。但し、主役Donnyの唄声についてはちょっと滑らかな表現過ぎて、あの艶やかさまでは感じ取れない印象。メーカー推奨のエージングがもう少し進めば、ある程度変わってくるのかなという気もします。

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Gang Starr - Full Clip (1999)

タイトル曲はHip-Hop Classic。こんなブレイクビーツ一発の楽曲などは、まるで合わないだろうと思っていましたが、予想外の結果。反復するドラム・ブレイクが気持ち良すぎて相当ヤバいです。モコモコなGuruのラップについても、E3000ではより深く響き渡ってきます。

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Diana Krall - When I Look In Your Eyes (1999)

またしてもDianaの盤。元々、優秀録音盤として有名ではありますが、まるで海の底から聴こえてくるようなミックスがやはり絶品。E3000は音に対する追従というか、スピード感という意味ではちょっとイマイチという印象ですが、ここではそれが逆に作用。ゆったりとした楽曲群と最高すぎる相性をみせます。静かな環境でいつもよりボリュームを絞って聴けば、より深くJazzヴォーカルの世界へ入り込めます。他のイヤホンで聴けばまた違った印象でしょうが、これはこれで一つの完成されたヒヤリングのような気がします。

E3000はこの価格帯なのに、ピュア・オーディオ的な感覚で聴けるという全く稀有な存在。各社の賞を受賞するに相応しい、大変に素晴らしい仕上がりのイヤホンかと思います。

視聴環境
・CAS-1- JRMC - E3000
・iPhone 4s - KaiserTone -
ALO SXC Cryo 22awg Dock Cable - FiiO A5 - E3000
・iPhone 5s - iaudiogate - oppo HA-2SE - E3000 etc.


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いかがでしたか。相変わらず不定期更新であったこのブログも、これで今年の更新は終わりです。いつもROM頂けている方にはただただ感謝の一言です。有難うございました。私はといえば、最後の最後までいろいろあった反省だけの一年でしたが、心機一転の気持ちで新年を迎えたいと思います。皆様も良いお年を!

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by olskooljam | 2017-12-31 14:30 | Audio

Herbie Hancock

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Empyrean Isles (1964)

Jazz史、文脈において定番でもあるこの作品は、一体どのような位置づけなのでしょうね。有名なのはもちろん「処女航海」なのでしょうが、個人的には圧倒的にこちらが好みです。

1曲目"One Finger Snap"から物凄い疾走感!けたたましく鳴り響くTony Williamsのハイハット。Ron Carterの心臓音のようなベイス。コルネットのFreddie Hubbardも豊富で印象的なフレーズを連発。Hip-Hop好きならば一度は聴いたことがあるメロディーが、随所にちりばめられている作品でもあります。

年齢を重ねるたび、トランペットやサックスといった管楽器の音色や、そこに込められた感情が、以前にも増して沁み渡ってくるようになりました。食事でも「美味しい」と思えるものが徐々に変わってくる世代ですが、それは音楽でも一緒なのかもしれません。



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by olskooljam | 2017-12-02 16:20 | Jazz