カテゴリ:Jazz Vocal( 9 )

Linda Ronstadt

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What's New (1983)

かつてのオーディオファイル定番中の定番。なんと四半世紀以上ぶりにHi-Resで聴きましたが、相変わらず音が良い一枚ですね。

Linda Ronstadtは私が音楽を聴き始めた70年代後半頃には、もう既に大スターでありヒットチャート常連の一人でした。80年代に入りMTVが一世を風靡するその前からですので、業界歴といえはとんでもなく長い訳ですが、この作品については当時Lindaが別格の存在であるということをシーンにみせつけた新機軸であり、チャレンジでもあったと記憶しています。

テーマ・選曲はJazzのスタンダード。これをLinda流に独自解釈し、ゴージャスなThe Nelson Riddle Orchestraをバックに従え唄っていくというもの。テーマをそこ一本に絞ったことにより、唄い方についても以前より滑らかで且つ丁寧。抑揚についても自然な付け方でイヤミ等はなし。明らかにスタンスを変えてきていますが、違和感はあまり感じさせません。

実際に今の耳で聴いても選曲は当然古くなっておらず、アレンジについてもこれ以上は望めないほど完璧なバッキング。最近録音した盤だよと言っても信じる方がいそうなほど録音も極上。ゆったりと唄う"I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You"の解釈は、ちょっと甘めですがなかなかのものです。

最近はポータブル・オーディオで聴くことが多い訳ですが、こういう音の良い作品を再生すると機器の良し悪し、相性等がよく分かりますね。改めて聴き込むのに値する類まれな一枚です。



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by olskooljam | 2018-05-14 17:11 | Jazz Vocal

Diana Krall

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Turn Up The Quiet (2017)

今のところの最新作。Dianaの作品については、あまりに好き過ぎて全て制覇したところですが、このAlbumも聴けば聴くほどにいいです。

当初はちょっと全体的に落ち着き過ぎているという印象でしたが、彼女のキャリアや年齢(ごめんなさい)を考えれば、当然こういう境地に行きつくのでしょう。制作は大ベテランのTommy Lipumaです。

全曲スタンダードということもあり、雰囲気出しまくりのノスタルジックな世界観。私の好みは"Moonglow"や"I'm Confessin' (That I Love You)"辺り。特に前者は個人的にこのAlbumのハイライト・チューン。最初はあまり気にしていなかったのですが、ギターの音色がどうにもこうにも最高なので、一体誰だろうと見れば何とあのMarc Ribot!

これには心底驚きました。Marc Ribotといえば、私が若い時夢中になったギタリストの一人。1stのルートレスの変態ぶりには、当時友人と相当語り合ったものです。Art Lindseyとかあの界隈については、もう大好きなんですよね。



上記は割と最近の演奏ですが、一体今いくつなの?という感じです。相変わらずアヴァンギャルドで、むしろ若い時よりギンギンなギターに痺れてしまいます。

"Mooglow"はDianaの落ち着いた唄声と、Ribotのノスタルジックなギターの溶け合うような瞬間があります。深夜にIEMで聴く中盤のソロなどは、最高過ぎてもう何度も何度もリピートしてしまいます。

この人脈についてはおそらく想像するに、旦那のコステロあたりが紹介したような感じなのでしょうが、それを良しとするLipumaの懐の深さ、耳の良さが凄い。結果的に極上の演奏が実現したのだと思います。



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by olskooljam | 2018-03-17 11:23 | Jazz Vocal

Nat King Cole

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After Midnight (1957)

不世出のヴォーカリスト美空ひばりさんは、ジャンルを超越した唄い手ですが、自分が年を重なるごとにその魅力と凄さが理解できるようになってきました。

子どもの時は、茶の間のTVに映るひばりさんを見て、母親から

「ひばりは別格の歌手。私は幼少期のひばりを生のステージで実際に観て、その本当の凄さを知っているからね。」

などと伝え聞いていたものです。しかし私は演歌を唄うひばりさんではなく、たまにジャズやスタンダードを唄う時のひばりさんが、凄くスウィンギーで好みでした。

Nat King Cole1957年の作品。時期的にはモダンジャズ、ハードバップ真っ盛りだったのでしょうか。しかし本人はそんな気など毛頭もなく、本来のピアノとジャズ・ヴォーカルに徹した役割と仕上がり。しっとりと唄われた"Blame It On My Youth"等、素晴らしく落ち着きます。

戻りますが、ひばりさんはこのNat King Coleが大好きだったんですよね。ゆったりスウィングする"When I Grow Too Old To Dream"などは、ひばりさんも好きな世界だったんだろうな。

もしあの"Unforgettable"のように、ひばりさんとNat King Coleを共演させることが出来るのなら...

そのように勝手に考えながら、古き良きあの時代に想いを馳せて聴いています。



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by olskooljam | 2018-03-03 12:38 | Jazz Vocal

Gregory Porter

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Insanity feat. Lalah Hathaway (2016)

待望の新作が控えているGregory Porter。今では世間的な評価が確定した、大変に優れたヴォーカリストの一人かと思います。

私はといえば、どうしてもソウル視点でみてしまいますので、もう少し激しく、滾るような瞬間が多いと満足できたりするのですが、そもそもの出自が、あのNat King Cole由来ということですので、完全にお門違い。ここは一つ、スムーズでアダルトな唄世界に身を委ねていくべきです。

この曲は大好きなLalah Hathawayが客演していますので、 JazzとSoulの狭間にだけ漂う、独特で魅力ある空間を堪能できる仕上がり。互いの見せ場の連続。

Gregory Porterは、どちらかというとSoul寄りのJazz。Lalah HathawayはJazz寄りのSoul。そう考えると両者の持ち味と立ち位置は、似て非なるものの近いものがあるのかもしれません。



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by olskooljam | 2017-09-21 10:50 | Jazz Vocal

Diana Krall

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Love Scenes (1997)

New Albumが話題のDiana Krallですが、最近よく聴いているのが、この作品や95年の"All For You"辺り。そもそも白人の方ですし、趣味、興味の対象外であった訳ですが、よくよく聴けばさすがに素晴らしい内容。

元々、旦那さんであるElvis Costelloについては、私は中学生の頃は中毒リスナー。ドップリCostelloの世界は聴いていますので、Dianaについてはこれも何かの縁だという軽い気持ちでの始まり。ところが今ではすっかりファンになってしまいました。単純かつ現金なものです。

私にとってのDianaの魅力といえは、落ち着き払った立ち振る舞いと、ややスモーキーがかったシルキーな唄声。ジャズというか、ジャジーな感覚、スウィング感たるべきものをバッチリ身に付けている。見た目も美しいですが、これは評価されて当然かと思います。

この作品の個人的ハイライトは定番スローの"I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You"。ギターのアルペジオから始まり、続いてDianaが極端に静かに、まるで囁くように唄い出す。深夜じっくり耳を傾けると、そこはもう桃源郷。果てしなく美しい楽曲とその世界観。





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by olskooljam | 2017-05-12 17:50 | Jazz Vocal

José James & Jef Neve

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For All We Know (2010)

後追いのJosé James。これはピアニストのJef Neveと共演した作品ですが、収録曲は有名スタンダードばかりの全9曲。私の気に入ったNo Beginning No Endとは趣が違い過ぎる一枚ですが、これも実にいいじゃないですか。

冒頭の"Autumn In New York"から二人の唄世界に引きずり込まれます。ピアノも唄伴というにはやや独創的なアレンジですが、録音も良く深みに落ちてしまいます。タイトル曲の"For All We Know"については、ソウルファンの立場とすればDonny Hathawayと比較しなくてなりませんが、Joséの声域(低音の魅力)とクールな表現もまた別の魅力に満ち溢れています。

昨夜は今年の初雪でしたが、今日もまた冷え込んでいますね。こういう時は家でジックリ映画や音楽鑑賞に浸りたいものです。

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by olskooljam | 2017-01-14 13:58 | Jazz Vocal

Cassandra Wilson

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New Moon Daughter (1995)

極上のアルバム「Blue Light Til Dawn」に続くBrandon Ross共演作。最近はCDをハイレゾ化することにハマッているのですが、録音の切れ味も含め、改めて凄みを感じた一枚でもあります。

1曲目の定番"Strange Fruit"から尋常じゃないほどに深い悲しみが溢れてくる。続く"Love Is Blindness"でもBrandon Rossのサポートが最高で、Cassandraの唄声は更に深く沈み込みます。泣ける。

Cassandraは古くM-Base時代からのお気に入りですが、この2作については彼女のキャリアでも別格級かと思います。必聴の逸品。


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by olskooljam | 2016-12-14 19:19 | Jazz Vocal

Cassandra Wilson

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Blue Light Til Dawn (1993)

M-Baseについては結構夢中になった時期もありますが、今でも聴くのはこのAlbum。

Brandon Rossのアコギなバッキング。一瞬だけ居心地が良いように聴こえるのですが、よくよく感じ取れば底深いブルーズ・フィーリングに溢れており、落ち着くどころか緊張感タップリ。Cassandraの深い悲しみを湛えた唄声については、言うまでもなく極上の空間。

次作"New Moon Daughter"と共に間違いなく長く聴ける一枚。
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by olskooljam | 2015-04-04 20:37 | Jazz Vocal

Joe Sample & Lalah Hathaway

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The Song Lives On (1999)

このAlbum既に10年近く聴き続けていますが、全く飽きませんのでおそらく一生聴き続けてしまうのでしょう。

何しろ駄曲皆無。全曲無理無駄が一切なく、御大Joeのセピア色のピアノと、Lalahの枯れた味わいすら漂わせる、ジャジー且つソウルフルな唄声がただただそこにあります。

"Street Life"の焼き直しも見事なら、"Fever"をこのアレンジで仕上げる仕事ぶりもまたマエストロ。とにかくお化けみたいな完成度です。
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by olskooljam | 2008-09-22 23:42 | Jazz Vocal