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以前取り上げたtueksさんのBT-02。ニッチ過ぎる販路の商品ですが、最近聴いたものの中では、あらゆる面で一番驚いたアンプです。何しろとんでもなく小さくて音がイイ。シンプルな基盤で、けして奇をてらったような作りではないのに、どういう訳か音が良いのです。何だかキツネにつままれたような感じの機器でした。 そのような訳で、02のプロダクト自体には大変満足していたのですが、先日のデザインフェスにて、待望の新作発表&それを少数限定にて会場販売をされました。地方民としては、うう~聴きたいけど遠いしなあと地団太を踏んでいた訳です。ところが分からないものです。今回ご縁があり、運よく初版を入手することができました(あもちろんですが普通に正規のお代を支払い購入しています笑)。そこで、まずは簡単なファーストインプレッションをエントリーしておきたいと思います。 筐体とデザインについて02と変わらずスケスケのアクリル製。ここはもう会社のポリシーなのでしょうかね。展開する全ての商品が、基本的にアクリルベース。それが基調のようで、もう清々しいまでに徹底されています。サイズについては、02より縦方向にわずかに大きいです。持ちやすくバランスが崩れているような感覚は受けません。重量バランスも悪くありません。このサイズ感と合わせて、持ってみると意外としっくりときています。中身の基盤については、相変わらずも考えられた配置が美しいです。みているだけでも楽しめます。 出力端子について今回大きく変更となったのが出力端子です。6.3mm端子は筐体のこのサイズ感では、とんでもなく巨大な異物にみえます。購入前は、イヤこれちょっとやりすぎでは..?まるで(MAD MAX的な)スーパーチャージャーじゃないんだからと思っていました。ところが実際に購入してみると、どういう訳か全然違和感を感じさせません。むしろこれが標準だというようなしっくり具合です。選択されたパーツについても、程よく金メッキがあしらわれたものが採用されており、それがデザイン上の良いアクセントにもなっていたりします。 それとこれは更にマニアックな話になりますが、今回3.5mm変換プラグを変えることにより、それ自体で音質変化を楽しめます。変換プラグは汎用で一般的な金メッキのものだけでなく、結構な種類(金メッキ・ロジウム等の素材違い・L型・サイズ違い等)が出回っていますので、それを自分好みのものに変えて楽しむということ。副産物的なのですが、どうやらインピーダンス変化に伴う作用があるようです。小さなパーツでも意外と音が変化しますので、これも魅力の一つに感じます。 バッテリーについて02と全く同じものが採用されているようです。今回パワーを音質に全振りした関係上、本来12時間前後持つところが、7時間程度までに減少。とはいえ充電時間も早いので、その程度であれば、実用上全く問題ないレベルなのかなと思います。また気になる発熱についてはほぼありません。電源まわりはとても優秀です。 音質についてここですが、まず今回何よりも驚いたのが音量についてです。02は柔らかく美しい音色で、インストなどへの適応力が素晴らしかったのですが、音量については(ボリュームレスということもあり?)それほど取れません。普通の16Ωとかであればもちろん充分ドライブできますが、ゼンハイザーのHD 650みたいな高インピーダンスのものは、精一杯頑張っているというレベルです。正直言うと音量が物足りません。今回の1/4”はそこが大きく改善されました。体感(聴感?)で言うと音量はほぼ倍増。ここまで大きな出力が得られるとは、(サイズ的な部分を加味すると)正直ちょっと驚きです。
音質ですが、まあこれが凄く良いです。まあ凄いというか、もう凄いというか。購入前は02が良く出来ていたこともあり、そこまで大きくは変わらないのかなと思っていましたが、実際は結構なレベルで違いました。現在私が知る範囲で、音質的な面でBTレシーバーの中で気に入っているのは、単体だとShanling H5やifi GO Blu等です。手持ちだとQ5S(with AM2A)。どれも少しだけウォームな音色で好みの機種なのですが、02についてはそのジャンルに入るのかなと思います。今回入手した1/4”については、02の延長線上にある音なのは当然なのですが、より厚みと太さを感じさせます。 例えば鉛筆でいえば、02がHBとすれば1/4“は4Bクラス。それくらい強度も増しています。とはいえただ太いだけでなく、繊細さは健在。変わらずリスニング的な傾向ながら、音の響きや余韻を少なくして、モニターに音を寄せてきたみたいな感じです。個人的に一番重要視する中音域の量が、グッと増しました。増したのですが、そのことにより全域のバランスが、更に良くなったという感じです。02はどちらかというと、唄モノよりもインストが得意で、どこまでも奥行きを感じさせるような、深い音色が魅力です。逆に1/4”は中音域の厚みが増したことにより、よりフラットでモニター寄り。何か本格的な(据え置き的な?)音質に近くなってきたという印象です。
Giveton Gelin – True Design (2020) 確かリーダー作ではまだこの1作だけ?気鋭のトランペッターのアルバム。最近のジャズの作品はどれもこれも良録音が多いのですが、こちらも同様で生々しい音質。楽器の鳴りがとにかく素晴らしいです。録音は勿論スタジオ。オーヴァーダブもされてはいるのでしょうが、最近はそのデメリットは一切ないという印象です。こちらもダイレクトな楽器の音が満喫できる一枚です。 まず02だと包囲感が強く表現されます。若干甘めの音質も相まって、まるでリビングのソファーで寝そべっているような?そんなリラックスした音質という感じです。これはこれで充分聴かせますので、音源との相性は悪くありません。IEMで聴くのであれば、正直もうこれで良いのかもしれません? 今度は1/4”に変えてみると、ペットの持つ響きそのものを、グッと前面に押し出して聴かせます。定番バラッドのEverytime..では、叙情性を湛えたトランペットの音色が心に響いてきますが、02ではゆったりしっとりとした雰囲気。響きの中に奏者の込めた想いをジワっと感じさせながら、とてもリラックスした音色で聴くことができます。1/4”に変えて聴くと、02で感じられたその響きがわずかに減少。主役のトランペットが音の中心というか、ステージの前方付近に位置し、他の奏者はそれを緊張感を持って、次の動きを見守っているというのがよく分かります。 他の音源を聴いても感じましたが、1/4“は02と比べると、そこまで音が拡がりません。程よい包囲感です。コンサートホールでいえば、02が中央~後方席で1/4”は最前席。音の距離感、イメージとするとそんな感じです。ダイレクト感に(僅かですが)差がありますので、聴き比べるとそこの違いが良く分かります。とはいえどちらが良い悪い、優劣があるという感じではなく、ここは好みで良いのかなと思います。 全体的な印象と組み合わせについて印象としては、02は全体的にゆったりとした拡がりのある音ですので、(例えばソニーの定番CD900STやEX800STみたいな)スピード感のあるモニタータイプのヘッドホンやIEMと組み合わせるのが、バランスがとれていいと思います。逆に1/4”はそれ自体が02比ではタイトな仕上がり。その為どのタイプのIEM、ヘッドホンでも相性は悪くないのでは?と思います。音作り的にそのような違いがありますので、02は例えばジャズやクラシックなど落ち着いた音楽に。1/4”はそれに加えてロックやR&B、EDM等まで網羅する幅の広さがあります。またオペアンプがツインになったこと等により、聴感比で音量が倍になりましたので、ヘッドホンでも余裕で駆動できそうです。実際300ΩのHD 650や、50Ω/96dBのPinnacle P1などが普通に鳴りましたし、特に後者については相性バツグンでした。そう考えますと、改めてどちらも良く考えられていますし、両者は棲み分けも可能なのじゃないかなと思いました。どちらのプロダクトについても、やはり音決めのチューニングには、相当な時間が掛けられた上で、製品化されているんだなと感じます。
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この先エージングでどこまで変わってくるかは分かりませんが、実際このサイズでこの音は、本当くどいようですが、素晴らしいと思います。作成者のtueksさんは、まだまだ(とっても)お若い方のようです。筐体デザインは勿論ですが、この音選び、そしてこのチューニング。確かな技術と同時に、めちゃくちゃ音楽的なセンスと、豊かな感性を感じます。これからはどの業界も、このような才能のある若い方が業界を引っ張り、そしてクリエイトしていくという、もうそういう時代なのかなと思います。 それと、BT-02とBT-1/4"の使い分けについてですが、どちらも充分持ち出し可能なサイズです。とはいえサイズ的には02のほうがコンパクトですので、より気軽に持ち出せます。音質的にはインストを中心で、BGM的に聴くのであれば02。モニター的にというか、専門店での(真剣な)試聴機用としても使うよとなれば1/4"の出番。02はやや甘めな味付けで美しい音色が楽しめます。1/4"は加えて分析的に聴くのも対応可能。ざっくりですがそんな感じで捉えています。高価格帯のDAP、ポタアンとじっくり比べてしまえば、さすがにそれなりという部分もありますが、どちらも魅力的な製品かと思います。
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