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音質。良い音。そして個人の好みの音

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ちょっと間が空きましたが割と近めの更新です。(ポータブル系の)オーディオファイルの一人として、日々あーだこーだ機材を組み合わせているのですが、その中で音質について色々と考えています。そこで少しだけブログにまとめて、エントリーしておきたいなと思います。

音楽については最近はXのほうに書くことが多いです。Xは字数の問題はあるものの、音楽好きな方との情報交換の場として、とってもいいなと感じて参加しています。また私の知っている古め?の情報が(もちろん見えませんが)多少はどこかで誰かの役にたっているような?いややっぱりそうでもないような?気がしています。しかしながらオーディオについては、どうしても話が長くなりやすいので、このようにブログやnoteに書くほうが、相性は良いような気がします。

音楽鑑賞においては、普段から音質を気にして聴くことが多いです。結局は据え置きでもそうなのですが、ポータブルオーディオでも、ハイエンドに近づけば近づくほど隙が無いというか、(当たり前ですが)高中低全く過不足のない音質が求められます。それは周波数測定値においても同様です。そしてそれが所謂「良い音」と言われるものなのでしょうが、個人的に行き着くところは果たしてそこなのかな?といつも考えてしまいます。

例えばこれは極論なのかもですが、(広義の)オーケストラの演奏だけを聴くのであれば、それが最適解なのかもしれません。あのダイナミックレンジが異常に広く、全ての要素を高レベルで求められるクラシックは、できる限りハイスペックで、且つハイエンドなシステムで聴くのが(当然ですが)最高かと思います。

クラシックについては、私は全く聴かない訳ではないのですが、早くもっと興味が出てこないか、自分で自分を(どこかで)待っている状況です。しかしながら既に半世紀近く黒人音楽、ブラックミュージック中心で聴いています。特に人生で一番勉強しなくてはいけない学生時代なんかは、大事な勉強の時間を削りに削り(笑)、それらをまるで、浴びるかように聴いてきたというのが現実です。ですので、元々の教養や素養がほぼありません。そのような訳で、おそらくそこまではいかないのかもなあ..という感じです。

何より、ではソウルもジャズも、ヒップホップもレゲエも聴いて、映画も観て、ポータブルオーディオやホームシアターにも凝って、スポーツ観戦やドライブも旅行もして、仕事は勿論、家族や友人との時間も作っていくというと、いやいやもう時間が圧倒的に足りないというのが現実です。そう考えますとクラシックまでは完全に無理っぽいですが、勿論この先どうなるかまでは分かりません。

私が聴く音楽の中で、特に音質を気にするのはジャズです。ジャズといっても広義になりますが、最近の録音だけではなく、50年代のヴィンテージな録音であっても良質な音源が多いです。そのため、イヤホンやヘッドホンを変えることで、まるで違う感覚で作品が楽しめます。ジャズの録音は古いものでも、どういう訳か良いものが多いのですが、これは録音技師が優秀なのか、あるいは楽器数が少なくアコースティックなので、一発録音に近いものが多いためなのかな等と考えています。

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Miles Davis - Kind of Blue (1959)

例えば定番のKind of Blue。実に今から半世紀以上前のなんと1950年代の録音です。これはハイレゾ版が用意されているように、驚くべきことに今でも高音質録音として有名です。音自体には、マスターテープ起因?のヒスノイズはあるものの、再生装置によって随分と印象が変わります。そのため機材を変えた時は、まず絶対に試聴に使用しています。

逆にヒップホップやレゲエについては、あまりそこまでは音質を気にしていません。ブーンバップやダンスホールなどは、コンプの効いたカセットやラジカセで(出来る限り大きな音で)鳴らしたほうが、より雰囲気が出てきます。勿論良いシステムで聴いても全然楽しめますが、どちらかというとタキシードを着用して聴くような音楽ではなく、ざわつくストリートで皆が一緒に楽しむもの。音質ファーストではなく、やはり音量こそが優先という印象です。

R&Bとソウルについてはその中間という感じです。モータウンやアトコなど古いものは、そこまで音質が良くないものが多いのですが、PIRなんかはめちゃくちゃ洗練されていて音質もとても良いです。90年代のR&Bだと、テディーライリーが係わった作品なんかは、音圧が物凄く、抜けも良いものが多いです。ですので、中には音質ファーストで聴けるものも充分あるのかなという感じです。

閑話休題。今現在個人的に最も好みの音を出してくれるオーディオ機器。手持ちの機器のヘッドホンでいえばHD 650。IEMでいえばPinnacle P1がその筆頭です(据え置きのヘッドホンアンプではCreek AudioのOBH-21(Mod)です)。どれも特に中低域が充実しており、濃厚一歩手前で且つまったりとした音像、落ち着いた味わい深い音。どちらの機種も正直に言いますと、あまりすっきりしないような、またはっきりしないような、抜け感の少ないちょっとくぐもったような?音質。例えば多ドラやハイブリッドIEMの音のように、スカっと抜けるように爽やか!という表現が最も似つかわしくないものです(この2つは試聴ではまるでインパクトのない音ですので、騒がしい店内だとあまり良さを理解できない機種かと思います)。

またただ抜けが良くないというだけでなく、これは主観ですが、そのもうちょっと先に(実際は何もないのに)もっと更に何かあるのでは?と感じさせるような音です。それがこれらの機種が私を魅了する理由の一つでもあり、完全に音が分析されないけれども、古いソウルやジャズが対象であるがゆえに、上手くマスキングされた、独特の雰囲気を感じさせてくれます。このようなジャンルの音楽を味わい深く楽しめるのは、結局最新の機材でなく、HD650のように最新ではなく古くからある機器で、且つ現在もまだスタジオなどで、一部現役で活躍する機種なのかと思います。

所謂カマボコと言われるような、ドンシャリとは対極となる音作り。まずはこれが基本で、特に中低域に厚みが感じられる濃厚な出音が好みです。HD650もP1もDAP直刺しや出力の小さなアンプでは、本領までは発揮されません。中古で出ているものを見るたび、ああこの中には、合う機材で本当の音を聴いていないモノも含まれているのかも?と感じてしまいます。
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据え置きアンプではOBH-21(モディファイされたもの)を使っていますが、これも出音は比較的地味な感じです。奇をてらうようなことは一切ありません。高中低とても自然で、まるで渓流で水が静かに流れているような出音で、いつまでもずっとゆったりと聴いていられる。そんな印象です。こちらは以前のエントリーでも書きましたが、中身をみると驚くほどスカスカで、部品数の少なさに驚かされます。ところが出てくる音は程よい透明感があり、上品で麗しいという相反するもの。OBH-21はイギリス製ですが、あの国ならではの天候とか繊細さが音に現れているのかもしれません?

ここで好みの音を抽象的ですが表記してみます。

・高音 
ほどほどで充分。解像感は欲しいのですが、刺さるのは(聴き疲れてしまうため)とっても苦手。なんなら少しだけこもっていても大丈夫です。またざらつくのは苦手です。かといって雑味が少なくだけで、甘くキレがない音は魅力がありません。何となくのイメージだけなのですが、例えばDACで言うとBurr-Brownや旭化成(AKM)。この2社については音にコクとキレが共存しており、大体好みに合うものが多いです(PCM1795はちょっと大人しいのでそこまでですが)。逆にESSやシーラスロジックなどは若干甘み成分が強く、好みと合わないことが多いです。イメージとすれば、透明感の中に、豊かなコクが感じられるような高音が好みです。

・中音
量感があり更に唄声に倍音成分や色艶が感じられればベスト。とはいえ響きすぎるのもダメで、あくまで自然な感じで拡がっていくような音がいいです。個人的には何より一番重要視する音域です。ここの領域で音の良し悪し、好みが決まる感じで、どの機器を試聴してもこの音域に魅力が感じられないと購入意欲が湧いてきません。

・低音 
量感はしっかり欲しいのですが、キレが悪くボワつくのはイヤです。ある程度の抜け感と、スピード感が感じられるものが良いです。例えばER-4Sの締まった低音で且つそこに量感が付与されればベストというような感じです。また層が欲しいです。映画でもそうなのですが。

・立体感・音場 
広さは欲しいですが、まるでお風呂のようなホール感は好みではありません。ほどほどというか、録音されたスタジオや、ライブ会場そのままの広さが表現されるもの。この領域の味付けは、チューニングのさじ加減によるものというか、ケーブルでいえば、銅線に適度な銀メッキというのが、やはり無難だという感覚で捉えています。ここは本当好みの世界で、モニター調なのか、リスニング的な味付けなのか、最終的には聴き手(の環境や聴くジャンル)にゆだねられるものじゃないかなという印象です。

全体的な音のイメージ
少しウォームな音が好みです。寒色系のクールな音は、最初はいいのですが、徐々に飽きてきてしまいます。音を言葉にするのはとても大変(どうしてもポエマーになりやすいです)ですが、出音から音楽的なニュアンスや、深みが感られるもの。ざっくりというと、中音域を中心に、色気のあるややリスニング向きの音というのが好みの音です。どの機器を試聴する場合でも、その点を常に気にしています。

またスペックについてですが、イヤホンによくある16Ω/110dBみたいなのは興味が出てきません。出来る限り高抵抗で、且つ感度も100dB以下のものが理想的です。最近はDAP単体でもヘッドホンを鳴らせるものが多いので、イヤホンでも、ヘッドホン様のスペックのものが欲しいところです(例えば300Ωのものとか)。
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音質の進化について
結局のところ、ポータブルオーディオの音質については、既にここ20年ほどの進化の中では、ほぼ限界点に近い?ような気がして仕方がありません。所感としてそう感じるのは、例えばWM1Z(2016年製:廃番)やHD650(2004年製:現行)の存在。これらが現行の最新機種と比較して、では純粋な音質で明確に劣るのかどうか?というと、いや、そこまで大きくは劣らないというか、選択はもはや音の好みとそのデザイン、そして機能等ではないのかな?ということです。何よりこのHD650がまだ現役で販路が確保されているという事実。大変な数の商品が販売されている中で、いまだにこれを選ぶ人がいるということは、そういうことなのだと思います。

完全に過去の名作や現行製品の傑作を、まるで置き去りにしてブレイクスルーするような、革新的な機器(や素材)が出てこれば話はまた別です。例えば、ハイエンド級の機器でも(例えばオーテクのモニターライクな名機ATH-ADX5000とか、極上ドンシャリ機メゼのEmpyreanとかとか)現在のところは、今ある音の延長線上にあるような印象です。

またPinnacle P1やT8iEについても同様です。どちらも2016年製で残念ながら廃番品です。特にP1のほうはHD650のように、大変落ち着いた魅力溢れる音色のIEMで、現行で音が似ている機種があまり思い浮かびません。1DDという仕様の問題もありますが、たまに最新機種を試聴しても、やっぱりPinnacle P1やT8iEより、大きく飛躍した魅力を感じる機種にはまだ出会えていません。私自身が年齢による耳の劣化という部分を差し引いても、P1やHD650は(組み合わせる機種にもよりますが)まだまだ使えるんじゃないかなと感じています。

しかしながらこれは、私が聴いている音楽ジャンルにも影響されていると思います。古いジャズやソウルを中心に聴く中で、落ち着いた上記の機種が、それらにとても相性が良いということなのかもしれません。

ではもうこれで機器は打ち止め?かというと、いや意外とそうなのかもしれません。ポータブルオーディオにハマってもう相当経ちますが、めちゃくちゃ欲しい機材が減少してきたというのが事実だからです。勿論全くゼロという訳ではないのですが、これ以上のクラスの商品とか、ハイエンドとかには、どういう訳かそこまであまり興味が出てこないのです。Xなんかでも、凄い高額商品をポストされている方がそれこそ何人もいるのですが、みていて単純に凄い!と感じます。ただそれをうわー自分も欲しいな、という回数が確実に減ってきています。

今どうしても欲しいというか、試聴して気に入ったポタアン(ポータブルアンプ)は1台特注で注文済みです。またもう1台気になっているのは、知る人ぞ知るtueksさんの新作(BT-1/4”)です。ヘッドフォンについてはT3-01のモルト版。もし在庫があれば購入したいなと考えています。イヤホンについては、今レギュラーの4つ(Pinnacle P1・X10 MOD・T8iE・MagicOne)で満足しちゃっている状況ですので、絶対欲しい!という機種には、現在のところまだ出会えておりません。

原因として考えられるのが、今の自分のシステムが以前と比較すれば、かなり満足できているというのと、ハイエンドについては興味がないことはないのですが、それに伴いサイズの問題が出てきます。音質ファーストですと、どうしてもサイズは大きくなることが多いため、物理的に自宅の(狭い)書斎には収まりきらないという、本当に個人な問題に直面します。基本的に大きなシステムについては、長岡鉄男さんとかの書物を参考にして、若い頃には結構組んだのですが、今はどういう訳かそこまで興味が出てこないのです。幸い家族は私のオーディオ趣味を(完全に呆れながらも笑)理解してもらえていますので、購入の障壁は少ないのですが、やっぱりハイエンドの機材で欲しい!と思う商品(PHONITOR XとかVIOLECTRICのV281とか)は、結局どれもこれもが大きいんですよね。置き場所のイメ-ジが付かないです。自宅には空き部屋数が多いので、どこかを防音工事して専用室に、という考えもないことはないのですが、どちらかというと四捨五入で終活のほうが近いので?今更そこまで凝ることはないかも笑。

最近IEMについては、平面駆動や骨伝導など、新技術が投入されています。それを更にDDやBAなどと組み合わせたものなど、複雑でハイブリッドなタイプの製品も多く出てきています。ドライバー数が多くなりますと、立体感みたいなものは増してくる印象ですが、位相管理という面では難しくなるかと思います。その為技術的にもとても難しくなると思うのですが、IEMの音世界が飛躍する可能性を感じています。

評判の良いKiwi EarsのQuintet(DD1、BA2、平面駆動1、骨伝導1の5ドライバー)なんかはじっくりと試聴しました。クインテットは驚くことに、出音自体は結構まとまりが良いです。高中低どれも切れ味も良く、位相についても違和感がありません。これはとても良く考えられているなというIEMでした。ただそれでも、今まで聴いたことがないという感覚ではありません。あくまで延長線上にある良い音の一つという印象です。これからも更に色々な組み合わせのものが出てくるのでしょうが、聴き手を驚かせるような音や、経験したことのないレベルの音に出会いたいなと思います。


※ ※ ※ 


音質。良い音。そして個人の好みの音。結局はああだこうだと色々探したり、組み合わせたりしている時間こそが楽しいだけで、そこにゴールはありそうでないのかもしれませんね。結論のような結論でないような?

by olskooljam | 2024-11-20 22:29 | Audio
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