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tueks BT-02

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ポータブルオーディオネタは久しぶりのエントリー。最近入手したポータブルアンプについてなのですが、これはちょっと驚いたといいますか、色々と感銘を受けましたので、取り上げてみたいと思います。

この製品の販路について
こちらは通常の販路に載っているものではありません。上記のBOOTHにて頒布されているだけのもので、いわゆる同人誌的な(マニアックな)製品。BOOTHについては、クリエイターの皆さん個人が、手作りで色々とこだわって作られているものを、とても販路にのらない量ということで、頒布という形式にて少数販売されているものです。私は以前からサイトの存在だけは知っていましたが、実際にモノを入手するのは今回が初めてのことです。

この製品の立ち位置について
BT-02は正式にはワイヤレス・オーディオ・アンプという種類になるそうです。機能としては、BT環境下で使用するためだけに特化されたもので、通常の入力端子(3.5mmアナログ等)は最初から装備されていません。またボリュームすらありません。3.5mmの出力端子・電源スイッチ・BTのオンオフ・充電用USB-C端子の4つのみ。極めてシンプルです。その為か筐体はものすごくコンパクトです。私が組み合わせているiPhone SEと比較しても全然小さくて、イメージとしてはまるで名刺入れみたいなサイズです。いやそれより更に小さいほどです。うっかりすると無くしそうなサイズで、その点が逆に心配になるくらいです。

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筐体について
ケースはアクリル製。品質の良いものが使われているようで、透明度がすごいです。中身は(あえて)完全にみえるようになっています。バッテリーや電解コンデンサなどむき出しになっていて、しかしそれらがコンパクトな基盤と筐体に、大変綺麗に収められています。まるで美術館にでも展示されていそうなデザインにもやられてしまいました。このようにサイズは小型なのですが、持ってみるとこれが意外な重量感。それがまた質実剛健的な良さというか、モノとしてしっかりパーツが吟味され、一つ一つ作られているんだなと実感させられます。

出力端子について
3.5mmアンバランス1つのみ装備されています。3極か4極かは不明ですが(なんとどうやら4極らしいです)、個人的にはバランス端子より、アンバランスのほうが(音質面も含めて)好みですので、これはこれで全然大丈夫というか満足です。

アンバランスは構造的に左右の音が交じり合うのですが、自然界でもそれは当然のことです。両耳には別々の音が聞こえている訳ではなく、同じ音が交じり合って聞こえている訳で、そう考えれば完全に分離されたバランス端子は、聞こえ方に最初違和感があるというのも、それは当然なのじゃないかな?と思います。とはいえどちらも一長一短ではあるので、最終的には好みの問題で良いかと思います。

組み合わせる機材と音質について
上流として組み合わせるのはiPhone SE3です。SEは普通に汎用なアイフォンですが、このコンパクトさが魅力で1から3まで浮気せず、ずっと継続して使用しています。ちなみに子どもは既に16なので、うわ!親父マジでダサいわと言われています笑。携帯電話も最近はどんどん巨大化し、ポケットから完全にはみ出す感じなので、常に小型のものを欲してしまいます。サイズ感だけでいえば、ガラケー全盛期のほうがまだ良かったなと思います。IEMについては、Pinnacle P1やMagicOneなどを組み合わせて常用しています。T8iEはややホワイトノイズが感じられましたので、BT-02とは組み合わせて使っていません。

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Earl Klugh - Solo Guitar (1989)

アール・クルーのアコギが冴えわたる名盤。こちらはアコースティックな音源の代表として良く試聴で使うのですが、BT-02と良く合います。程よい艶感が感じられて、キュッキュという弦の音等が心地よく響きます。また音が想像以上に横方面に拡がっていきます。この音源でもしDAPとブラインドテストを行ったとしたら?間違いなく見破れない方が続出するかと思います。

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Diana Krall - Turn Up the Quiet (2017)

ダイアナのヴォーカルが冴えわたるアルバム。彼女の吐息のような唄声は、ドンシャリ傾向が強い機材では、その魅力が半減してしまいます。中音域が上手く表現されないと、トロっとした艶感みたいなものは出てきませんので、そうすると味わいがさっぱりしてしまいます。BT-02はヴォーカル域の表現についても、これがまたなかなかいい感じです。程よい透明感の中に、潤いを帯びたヴォーカルが楽しめます。距離感的にはステージ上のダイアナの唄声を、中央やや後ろの客席辺りで聴いているような感覚です。音質的には上位機種などと比べれば差は感じますが、一聴するだけでは、そこまで気にならないレベルです。これはチューニングの妙といいますか、吟味されたパーツの良さや、基板構成の巧みさなど。その辺のバランスがとてもよく出来ているのだとしか言いようがありません。

聴いていて感心するのが、実際BT-02の音にこれ!といった際立つような特徴がない?ということです。無味無臭。いやそこまで全くない訳ではないのですが、アンプ固有の音みたいなものが、そこまで強くは感じられません。しいていえば、音に透明感と立体感、そして広い音場が付与される印象。アンプの持ち味より、イヤホンやヘッドホン自体が本来持つ音の特徴を、上手くサポートしてくれる。そんな感じなのです。一体全体どういうチューニングといいますか、パーツ選定等をされたのかとても気になります。出音がとてもアナログライクな自然で優しい音なのです。

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そして音を聴いている時に、一番驚くのがやっぱりこのサイズとデザインです。音を良くするならば、サイズは当然ですが巨大化していきますし、デザインはその犠牲になり無骨なものになりがちです。それがBT-02においては全てが逆なのです。スタイリッシュで中身はスケスケ。しかもこのミニマムサイズ。ちょっと訳が分からないのですが、実際にそうなのですからギャップが凄いです。Eイヤホンさんやフェスでも、こんな小さなアンプで聴いているような方は、あまり見たことがありません。一体なんなのでしょうねこれ笑

それと、先に記したように本体はボリュームレス構造です。音質的にはそれがメリットになるのでしょうが、デメリットとしては音量調整がiPhone由来になるので、刻みが大きく、ちょうど良い音量に調整するのが、意外と難しいということ。あとは高インピーダンスのものだと、そこまで音量が取れないということ。HD650だと何とかですが、電流食いのMoondropの傑作ヘッドホンPARAとかだと結構ギリです。但しP1(50Ω/96dB)のようなものでも、まずまず駆動しますので、そこまで絶対的な弱点ではありません。

大枠のジャンルとすると、ポタアン類に入るものかと思いますが、バッテリー込みでこんな小さなものは、ほとんど他にありませんので、それだけでも貴重なのじゃないかなと思います。ドングルDACまで入れると、アイバッソのDC-Eliteなんかはもちろん別格(あの音はちょっとヤバいですよね)なのですが、もし知名度さえあれば、BT-02は普通に人気商品になりうるんじゃないかなと思います。


※ ※ ※


まとめ
例えば外出先のカフェ等で、ちょっとゆっくりして、音楽でも聴きたいなと思う時。お気に入りの有線イヤホンが一つと、そしてこのBT-02がかばんの中に入っていれば、それはもう無敵です。荷物としても小さくて軽いですし、こんな良いデザインのアンプが、テーブルの上に置いてあれば、ちょっともうシャレオツですよね。実際に持ち出すのが楽しくなりました。

またアナログポタアンに対しての、BTラインアウト機(実際はBTフォンアウトですが)としても活用できそうです。サイズが小型ですし、送り出しとしての質も担保されていますので、出力の高いポタアンなんかであれば結構いけそうです。そこは工夫次第でしょうかね。こちらはのちのちの活用で、楽しみの一つとしたいなと思います。


※追記(2025/02/27)
ついに入手できたBT-1/4”。エントリーしたようにあちらはとても完成度の高い一台でした。それゆえ気付いたのですが、BT-02は音は良いものの、音の拡がりという面でのエフェクター類が、ちょっと過剰に効きすぎているのかな?と感じてました。なんというか音の味付け自体はそれほどないのですが、当初からあまりに(特に横方向に)拡がりすぎるなという印象でした。そこで本体に一手間掛けることにより、拡がりを抑えるように再調整。結果これがびっくりするほど素晴らしい仕上がりに。もう一度レビューし直したいほどお気に入りになってしました笑

by olskooljam | 2024-11-07 20:47 | Audio
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