![]() iPhone 4Sはもし3G回線限定でなければ、今でもなお携帯電話として使用しているかもしれません(現在はSE使い)。それほどまでに理想的で完璧なサイズ感です。片手でバッチリ操作できるということもそうですし、またあの適度な重量感(塊感)が良いです。 今はDAP専用機として使用していますが、Dockアウトからアナログポタアン(Fiio A5)へ出力した時に出てくる音は、私の(今のところ)理想とする一つの解答です。柔らく繊細にチューニングされた4S独特の音。それを硬質でカリカリの解像度を誇るA5が中和させ、もう何とも言えない絶妙の音色にミックスされます。ホワイトノイズについても皆無。他ではけして得られない、聴けない独特の味わいが気に入っています。要約すれば安い耳ということです。 今でもこの大きさのiPhone新作が出れば、無条件で購入するほど4Sが好みだったりします。4SのHDDについては(意外とレアな)64GB仕様なのですが、さすがにこれ一台では何かと使い勝手が悪い場面が多くなってきました。 そこで2nd DAP選びをしていたのですが、ついに決まりました。今現在私の選択基準は音質以外に3つありまして、まず第一にとにかくコンパクト・サイズであること。ポータブルですのでこれは重要です。次にUIが分かりやすく使いやすいこと。これも当然といえば当然でしょうかね。そして最後にアンバランス専用機(アンバランス全振り)であること。 世間ではやれバランスだ、ワイヤレスだと騒がしいのですが、世界共通規格で音も充分良く、また信頼性並びに耐久性が非常に高いシングルエンドが私の好みです。結果としては、3つ共にそれほどマニア的ではない基準になりますが、どの項目についても満たす製品がありました。 ![]() Fiio M7。写真手前のDAPですが、実際に購入したのは発売された夏前。専用の革ケース(別売)にもしっかり収まり、小さくともなかなか精巧な作りです。肝心の音質はといえば、ESS9018系DACのわりにはリスニング寄りでウォームな仕上がり。派手さは一切ありませんが、4Sを愛しソウルやジャズを中心に聴く私にとって、これがほとんど理想的なチューニングでした。いかにもハイレゾ対応!と言った最近のDAPの中においては異色ともいえる、珍しく落ち着いた方向性の音作りだと思います。 重視しているUI(操作性)については、タッチパネル式で追従性もまずまず。及第点といったところでしょうか。最近ではまたまたファームウェアのアップデートが行われ、VER.1.04になってからは、特に大きな不満はありません。画面もアルバムアートが美しく表示されますし、まあよく出来ている方でしょう。ヌルサクのAppleと比較してはいけません。購入してもう半年近くが経過しますが、サイズも小さく使えば使うほど手に馴染んでくる感じです。 出力については、いさぎよくアンバランスのみ。ラインアウト兼用ですが、低価格帯で且つ大きさの制限があるDAPですから、あれもこれもとよくばらずこれが正解だと思います。私がもしバランス機を購入するなら、思い切ってアンバランスやBluetooth機能が搭載されず、ただ単にバランス出力に全振りされ、それのみに特化した極端なDAP(があればですが)を探すかと思います。勿論そんなマニアック仕様なDAPでは、全く売れる訳がありません。 ところがこのDAP起因の問題も出てきました。所有する(お気に入りの)イヤホンの中で、ハンドリングが充分には出来ないものがいくつか出てきたのです。具体的には、finalのE3000とMee AudioのPinnacle P1の2機種。どちらも感度が低く、結構なパワーを投入してやらないと本当の音が出てこないのです。サイズの小さなM7のアンプでは、このようなイヤホンは苦手なようです。 そこで投入したのがElekit社のTU-HP02。写真のポタアンですが、これはディスクリート製で真空管ライクな音作りがされているものです。どうやら現在では部品供給の問題等で既に絶版のようですが、マニアには絶大な評価をされているようです。電源については何と単3乾電池というマニアックな仕様です。 肝心の音質ですが、M7と組み合わせて聴いてみるとこれがもう実にイイ。純粋な増幅アンプで完全なアナログ式ですから、単純なLineoutモードでの繋げ方なのですが、M7の柔らかく芳醇な音作りがそのまま増幅され、更に表現力豊かにしたような感じでもう最高です。 一言でいえばシルキー。艶があるけれど、そこに程よくカドも残してあるという絶妙なタッチ。一聴するだけであれば地味な音に感じられるのですが、時間を掛けて聴いていく私のようなジャンキースタイルには、このような自然で暖かい音がもっともフィットします。音場の広がり具合についても堪りません。 とはいえ、今時のEDMみたいな派手な音や、Hip-Hop、Reggaeなどにはまるで合いません。管楽器や音数の少ない録音、アコースティックなもの、ピアノ、ジャズ。Marvin Gayeのサックスのような泣き声、George Bensonの宙を舞うようなギターの音色。例えばそのようなジャンル、楽器、人の声などを絶品に響かせます。 上記の問題のあったイヤホンについても相性抜群。ゲインもLowモードで充分でした。まずはPinnacle P-1のほう。この機種の特徴である中高域について華麗に美しく響かせ、また課題であった低域の量感もグッと沈み込むようになりました。これがP-1の本当の実力なのでしょうか。思わず誰かに聴かせたくなるような、もう素晴らしい音色に溜め息がこぼれます。 次にFinal E3000。元々落ち着き払った音色を誇るピュア指向の逸品ですが、ウッドベース等の低音では響き具合がまるで違います。よく制動されながらも、充分な量感が付与されています。響きながらズブズブと沈み込んでいくというようなイメージ。空間表現についてはいわずもがなです。こちらもP-1に負けず劣らずの相性を示しました。 とはいえ、M7とHP02をミニミニで組み合わせていくようなイレギュラーな使い方。マニア的な評価となれば果たしてどうなのでしょうか。物理的にかさばることもありますし、それであればもっと音が良い(評価も定まっている)高級DAP単体で聴いたほうがずっと良いよ、そんな組合せ全然ダメじゃんという意見もあるのかもしれません。でもこの変な使い方こそが、私の今の皮膚感覚にピタッとフィットしてしまいますので、これはもう仕方がありません? ※ ※ ※ ポータブル・オーディオにハマって早数年。大昔には出たばかりのWalkmanⅡも使用していましたから、そういう意味で言えば、老いてからまたぶり返している状態なのでしょうか。どんどん音が磨かれ変化していく、大変に面白くて困ったミニマムすぎる世界。私にとってはこれが盆栽なのかもしれません。
by olskooljam
| 2018-11-18 15:26
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