Think 'bout Old Jazz to Old School Hip-Hop

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最近Old Jazzを聴くことが多いのですが、聴けば聴くほど考えさせられるのが、ミドルというかOld School Hip-Hopとの関係性。Hip-Hopと言っても、私は最近のシーンについては全く興味の対象外ですので多くを語れませんが、80年代~90年代前半までのシーン(言わゆるゴールデン・エラです)については、完全にリアルタイムで聴いていましたので、その辺りまでの親和性についての考察になります。

Jazzのゴールデン・エラである1940年代~50年代くらいまでのミュージシャンは、その音、立ち振る舞い、そしてその生き方全てが非常にクールです。残された録音についても、まるで身を削るかのようにストイックで完成度の高いものばかり。

その表現方法については、まさに「やり尽くした感」に満ち溢れています。それゆえにある意味ジミヘンかの如く、降盛ジャンルとしては短命であったのではないかとすら思うほどです。

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Jazzミュージシャンの中には、例えばSonny Rollinsのように、長きに渡って活躍し続ける化け物のような人物もみえますが、Charlie ParkerやClifford Brownのように、若くして伝説となってしまった偉人がいます。帝王Milesはといえば、60年代半ばには既に電化し、次のシーンを見据えた活動を始めていました(70年代ではあの大阪公演でもう行くところまでいってしまった感があります)。

Modern Jazzそのものは、Milesが別のことをやり始めた段階で既に終わってしまった(言い換えればやり尽くされた)ジャンルだったのかもしれません。しかしながら例えば私の兄のように、もうその時期(ゴールデン・エラ)のJazzしか聴かないという強者もいます。

ではそれは何故なのでしょうか。想像するに音楽をリスニングするという行為上においては、1950年代の完成されたクールなJazz様式美が最高峰の一つなのかと思います。

それではHip-Hopはといえばどうでしょうか。このジャンルについては、形成された歴史が複雑ですので今更くどくど説明をしませんが、けして黒人だけで作られた文化ではありません。ヒスパニック系など多様な人種によって異文化がぶつかり合い、NYはブロンクス等で産声をあげたものです(個人的にはジャマイカ島からの移民の影響が、特に大きいと思っています)。

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個人的には、80年代の後半から90年代の初めにかけてのHip-Hop、Rapがもう最高に好みです。この時期は今まで聴いたことのないアングラでのみ有名であったブレイクビーツを、誰かが掘り出してきてはそれを廻し続けて、そしてそれが新たな定番となっていくということを繰り返してきた(二度目の)時期です。

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最重要人物といえば、Large ProfessorとDJ Premierの二人。この二名は共に超が付くほどのレコード・ディガーであり、Jazz、Soul、Funkについて桁違いの知識量を持つ人物でもあります。

この両者が当時残した録音を聴くと、現行シーンとの乖離というか、音の深みみたいなものがまるで違うことに気付きます。そこにはテクノロジーの違い等についても顕著なものが感じられますが、当時はまだまだある意味で原始的な設備環境であるがゆえに、そこに込められた深くてピュアな情熱がダイレクトに伝わってきます。

アイデア一発勝負のブレイクビーツをベースに、そこにわずかな鳴り物や装飾を施した上で仕上げられた楽曲群。それらはまるでダイモンドの原石のよう。今でも聴けば、やはりこの当時の録音については素晴らしいものが多いなと思ってしまいます。

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そしてレコード・ディガーといえばD.I.T.C.。この集団の名前については、コンベンション等で恐ろしい量のレコードを買いまくるところから来ているという説があるくらい、全員が強力なディガーばかりですが、醸し出すその雰囲気、佇まいや、実際に録音しリリースされた音源については実にクール。

特に私はLord Finesseの持つ独特の音選びセンスや、ちょっと何だか黒人ぽくない(ラッパーらしくない?)甲高い、まるで鼻歌のようにスムーズなラッピングが大好きです。

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私が感じるJazzミュージシャンとの共通点として、ミドルスクールHip-Hopは、自分達による自分達だけに向けたような、いびつ且つ特殊な音楽という気がします。言い換えるならば、自分が心底好きな文化なので、他のジャンルのミュージシャンやリスナー等から、どう思われようとそんなことは一切関係ない。それよりも同胞ホーミーたちから、リスペクトされることのほうが重要だし、何よりもとにかくまずはそこを目指すぜ!みたいな感じです。

この今で言うマイルド・ヤンキー的な?感覚については、リアルタイムで聴いていた当時から、その感覚を常に感じていました。そしてその感覚こそが、オールドJazzを漁るようになった今の自分が、ハッ!と驚くように感じた同様のものなのです。

昔のJazzミュージシャンたちも、実はそのような似たような感覚でもって、RVG録音スタジオにいたのではないのか。レコード針の向こう側のリスナーを見据えて、ガンガン録音していたばかりな訳ではなく、互いのプライドとその情熱、才能をぶつけ合って、同胞のミュージシャン仲間達から最高のリスペクトを得ようともしていたのではないのか。

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ミドル期のhip-hopも50年代のJazzも、その全盛期はと言えばもうはるか昔のこと。しかしマスに媚びすぎない、商業主義だけにとどまらない本物の音楽に拘りを持つリスナーには、今なお熱狂的に支持され続けています。

特殊なジャンルであるがゆえ、掘り甲斐も充分ですし、聴いてゆけばHip-Hopのサンプリングというアートを通じて、互いの音楽的な共通点をも見い出せるという面もあります。

更に更に深く掘り続けていけば、50年代Jazzの精神性については、フリージャズを経て、70年代のStrata-EastやBlack Jazzのような、伝説的レーベルの気骨ある作品群にまで繋がっていることが判ってきます。

50年代のModern Jazzとミドル期90年代前半までのHip-Hop。昔のJazzミュージシャンと昔のラッパーやDJ。一見するだけならばその関係性は薄いような気もしますが、実はそうではなく、そこには時代を超えたイデオロギーの伝承のようなものがあるのかもしれません。


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上記のすべては、私の勝手な想像と勝手な思い込みではありますが、この両ジャンルは特殊といえば特殊なので、少しは当てはまることもあるのではないかと思っています。音楽って聴くのも考えるのも本当に面白いですね。

まだまだ語れるところではありますが、なんだか最近は文章が長くなってきているような気がします。今回のエントリーについてはこの辺で終了といたします。

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by olskooljam | 2018-04-14 17:23 | Jazz
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