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Sendiy M2

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Soulも勿論そうですが、JazzやClassicを聴くとなると気になってくるのはやはりその音質。ある程度拘りたくなります。

最近はCDを直接聴くことが少なくなり、書斎では専らPCオーディオ(JRMC → Sony CAS-1)を活用し、CDをファイル(ALACまたはFLAC)化して聴いています。特にCAS-1は深夜遅くにヴォリュームをかなり絞った状態でも、高低音バランスの良い音質で聴くことが可能な為、どの時間帯においても満足度については相当高めです。

しかしながら、本当に音が出せない状況、時間帯だけれども音楽を聴きたい、あるいは外出先で音楽を聴きたい時は、やはりiPhoneかDAP、ポタアンに頼ります。

そこでイヤホンの出番な訳ですが、ポータブル・オーディオといいますか、特にイヤホンについては、ここ最近市場が膨張。有名メーカーから新興メーカーまで、もう群雄割拠状態。無線方式やら、イヤホンやらカスタムIEMやら、またモノの数やドライバー方式等も有り過ぎて、私なんかはもう何が何だか分からなくなるほど、めちゃくちゃに凄いことになっています。

そこでこのイヤホン。Sendiy M2。割と最近入手したものですが、方式については昔ながらのDD一発式で、ハウジングは木製(黒檀)。見た目からして普通のなんてことはないイヤホンですが、シブい仕上がりです。

このM2で聴く私の好きなSoulやJazz。これがちょっとなかなかイイ。もうこんな小さなイヤホンから出ているとはとても思えないような、素晴らしく広大な音場が目の前(耳の前?)に広がってゆきます。高音も低音もダイナミック・ドライバーの普通の鳴り方のはずですが、結果として聴こえてくる音については、何かが決定的に違います。木製ハウジングでよく感じる、例のあの篭り感も気になりません(ダブル・フランジの相性最高)。

凄いのはどの音源を聴いても、合わないなあとはならないところ。不得手なジャンルがあまり見えてきません。総じてこのイヤホンの持つ「響きの調音」が、決定的に違うのでしょうか。まるで良質な真空管アンプを聴いているかのようです。
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例えばソウルでいえば、Marvin Gayeの"Please Stay (Once You Go Away)"における、名手Paul Humphleyのドラミング。

M2で聴くと、スローな曲調の中に見え隠れする、Paulの凄まじいまでのタイム感が更によく伝わってきます。柔らかなタッチと哀切メロディーの余韻が、最後まで耳の中に残ります。
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ジャズでいえば、Wes Montgomery Trioの"'Round Midnight"におけるアンビエントな空気感。まるで何十年前の録音現場に、自分が同席しているかの如く、広々とした空間の中に、Wesのメロウな音色が聴こえてきます。


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イヤホンはベントの大きさやハウジング、ケーブルの材質、またドライバー方式や、はたまたプラグ選びに至るまで、音質に影響するパーツが大変多く採用されています。最終的な製品化については、そのメーカーのセンスや矜持が試されるものかと思いますが、それにしてはこのM2は突然変異といいますか、あまりに独創的で個性的な品です。

イヤホンは結構な種類を聴き、またこれより高額なモノもそれなりに所有していたりしますが、M2については今のところ代用不可能な逸品となっています。

ちょっとポータブル・オーディオ中毒になりかけている状態ですが、こんな良いイヤホンに出会えるのならば、それもまたヨシとします。

by olskooljam | 2017-03-07 17:11 | Audio
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