Lorenzo's Oil

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邦題「ロレンツォのオイル/命の詩」。1993年作品。

昨夜20年以上ぶりにVODにて再見(60inch 1080p HDTV + 5.1ch環境)。改めて素晴らしい一作。一緒に観た上の子も感銘を受けたようです。

Nick Nolte
いつもは無骨な雰囲気且つ男臭いイメージの役が印象的ですが、ここでは180度方向転換。難しい役どころを完璧にこなす様はこれこそ主演男優賞級。最近でもウォリアー等での年老いた役回りでいい味を出しています。ずっと好きな俳優の一人です。素晴らしいです。

Susan Sarandon
こちらも鬼気迫る迫真の演技。この題材にして名優二人の共演。文句がつけれない完璧さです。演技派という言葉はこの人にこそ相応しい。

正直なぜBD化されていないのか不思議なほどの名作ですが、テーマが極めて重いので(セールス的な意味では)仕方がない面もあるのでしょう。また監督はMad MaxからBabeそしてこの作品と、ふり幅が凄すぎてファンはついていくのが大変かもしれません。

Directed By George Miller.

# by olskooljam | 2019-02-16 19:04 | Movie

olskooljam classics vol. 302

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Milestone - Let Me Know (1997)

このシリーズも忘れた頃にやってきます。久々の俺クラシックですが、Milestone(※)唯一の作品からこのSlow Jam。

最近はジャズばかり聴いていたのですが、下の子が何とR&Bの構造(旨味成分)を理解し始めたという快挙(Sam Salterフリーク!)があり、私も再び聴き始めています。

この曲はスローばかりのAlbumの中において、地味ながらキラリと光る哀切の一曲。テナーリードはひたすら懇願するような唄いまわし。売りとなるコーラスについては、これぞR&Bハーモニーという厚み。旨味成分が全開。静かな曲調の中に確実なソウルが隠れています。100前後のBPMも最高に気持ち良い一曲。

まだまだ寒い日々が続きますが、そんな時はやはりR&B/ソウル。良い歌そして良い歌唱は時代、世代を軽々と超えて伝承されてゆくようです。

※この4ピースMilestoneは、Babyfaceが組んだあの特別ユニットMilestoneとは一切関係ありません(同名別グループ)

# by olskooljam | 2019-02-16 18:26 | olskooljam classics

The Mule

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邦題「運び屋」。2019年作品。

巨匠の最新作。個人的にはですが、最近これは映画館でみたい!という作品が少なくなってきています。原因の一つとして今まであまりに多くの映画を観てきたために、どこかで斜に構えてしまう悪いクセがあります。この構図はあれだなとか、このエンディングはあれとあれを合体させたのかフムフム、というような感じです。

例えば数年前国内作品でメガヒットした某映画などは、今ではあまり知られていない過去の名作をモチーフにどころか、〇〇〇〇して(映画にそれほど詳しくない)普通の日本人を感動させてしまうといった有り様です。皆が感動したエンディングを観た瞬間、あああと溜息が出てしまいます。

そういったことを知っているのは、はたして良いことなのでしょうか。子どもには、お父さんそこは素直に観ないとだめだよと言われてしまいましたが、確かに知らない方が幸せなのかもしれません。要約しますと、年を重ねるとどうしてもひがみっぽくなるという難しい問題です。

さてこの映画のストーリーですが、実在した90歳(!)の運び屋の物語。監督自ら主演を務めるというお得意のパターンですが、まあ間違いのないクオリティの一本かと思います。私は巨匠のフィルムにおける色使いのセンスと、さりげない音楽の使い方が凄く好みなのです。公開は3月ですか。これは観に行きます!

Directed by Clint Eastwood.



# by olskooljam | 2019-01-26 17:54 | Movie

Bill Evans Trio

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Triio 64 (1964)

音楽鑑賞と映画鑑賞。私の大切にしている2大趣味なのですが、どうしたらその素晴らしさを自分の子どもたちにも伝承させることが出来るのか。これは長年に渡って悩んでいる私の課題の一つです。

親の趣味を無理やり押し付けるつもりまではないのですが、本物を見極めていく視点みたいなものが、自然と身に付いてさえくれればという切なる思い。情報が溢れまたフェイクも多いこのご時世ですから、これさえ気づいてくれれば本当に嬉しい訳です。

最近はようやくですが、その辺の考え方というのが少しずつ伝わってきているようで、たまにあれはどう、これはどう?と聞いてきたりします。もうもの凄く嬉しくなって色々語ってしまうのですが、あまりの情報量の多さゆえに?最後はやっぱり引かれてしまいます。

推測するにどうやらその根底には、親父はちょっと普通の感性じゃない人という印象があるようで、ごくごくまともで普通の考えを持つ母親寄りの感性のほうが強いみたいです。本当に難しい課題だと感じているのですが、趣味に関してだけはどこかで引き継ぎみたいなものができればと思い、少しずつ伝えているという現状です。

※ ※ ※

Bill Evans Trioの64年盤。名手Gary Peacockとの唯一のスタジオ作ですが、Evansでは最近よく聴く一枚です。ピアノトリオではどうしてもScott LaFaroとの比較がされてしまう訳ですが、この盤でのリラックスした楽しげな演奏を聴いていると、そんなことはどうでもよくなります。

最近は耳も年相応に老化してきているためか、ピアノトリオが本当に心地良く聴こえてきてしまいます。若者しか聴こえないモスキート音については、割と高い周波数まで聴こえるのですが、やはり若い時とは感性が違ってきていますね。

何事にも落ち着きと安らぎを求め彷徨う日々、今日この頃。



# by olskooljam | 2019-01-26 17:04 | Jazz

final E3000 with Viablue Plug

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実はそろそろ(ようやく?)ポータブル・オーディオに飽きてきました。飽きてきたといっても、音楽を聴かなくなった訳ではなく、音を更に良くしたいという気持ちが少し薄れてきたという意味です。家族からすれば、お父さんやっとなのといったところなのでしょう。

原因は3つあります。1つ目は本来好きな「音楽」を楽しむ目的であったはずなのに、何だか今では「音質」を楽しんでいる状態になっているということ。本来の目的から少々逸脱しているのです。

2つ目は欲しい機種が減ってきてしまったこと。私なりの理想の音を追い求めてここ数年、右往左往していましたが、ほぼほぼ自分にはどういう音が合っているのか、さすがに分かってきました。また気になっていた機種については、ほぼ入手したり既に聴いてしまいました。

3つ目はこの業界最高峰の音と呼ばれるものの一端を聴いてしまったこと。このことはさすがに音に感心し驚いたのですが、一方で自分が追い求めているもの(自分が気持ち良いと感じる音)と、そこまで大きな差異はないのだという現実について理解できました。

ハイレゾという言葉、定義については(それなりには)一般化してきたように思うのですが、私が好んで聴くSoul、Jazz系の音楽については、ハイレゾ化されたものが全て最高という訳ではありません。これは想定外であったことで、古い録音でも良いアナログマスターさえ存在していれば、高音質化は充分可能なはずと考えていました。

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Nolah Jones - Come Away With Me [24bit/192kHz] (2002)

例えばですが、Norah Jonesの1stハイレゾ版(24bit/192kHz)。これなどは聴いていてそれほど面白くありません。むしろレンジの狭いオリジナルCDのほうが、なんだか雰囲気が漂います。ハイレゾ版と比較すると、CD版は高域もさほど上まで伸びず、低域の分離についても良くはないのでしょうが、むしろそれが音の厚みとして感じられ好ましいのです。

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Diana Krall -Love Scenes [DSD64] (1997)

今度は逆のケースです。こちらも定番Daina Krallの1997年作品。これなどはCDも悪くはないのですが、DSD(64)音源のほうは絶品の仕上がりです。DSD版ではトゲがなく滑らかで且つ生々しい音質であり、Dianaの唄声についても色気タップリ。わずかな息づかいまで再現されます。またヴォリュームを上げていっても歪感が少なく自然です。

分厚く繋がりがよい中音域はまるでレコードで聴いているかのよう。録音自体が素晴らしいということもありますが、こちらはきっぱりハイレゾ向きの素材です。

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Bill Evans Trio -At Shelly's Manne-Hole [DSD128] (1963)

Bill Evansの(個人的に)秘かな愛聴盤。超マニアックなHDTTからリイシューされたものですが、なんと驚愕のDSD256(!)。私は再生環境的に全体が整いませんので、泣く泣くDSD128を購入しましたが、それでももう物凄い音です。Evansの打音一音一音も生々しくて良いのですが、Chuck Israelsの重いダブルベース、Larry Bunkerのブラシの新鮮な響きは、まるでこの一夜まるごと真空パックさせたかような音です。

最近では一番気に入っている音源ですが、これなどは元々の録音そしてアナログマスターの管理が素晴らしいのでしょうし、その上でHDTT自体が相当な技量を持った集団なのでしょうね。CD盤も優秀ですが、このDSD音源については本当に感心しました。

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Marvin Gaye - Let's Get It On [24bit/192kHz] (1973)

この作品は録音状態が良いことで有名です。このハイレゾ版については音は当然良いのですが、上記のNolahと同じ理由であまり美味しくはありません。つまり音はブラッシュアップされてはいるものの、悪く言えばある程度品がよくなっているだけで、音楽の情熱、熱量みたいなものについてはそれほど変わりません。私が老いた耳という面を考慮しても、むしろ通常のCDで聴いたほうがどういう訳か感動してしまいます。

もう既に30年以上聴いているので、聴きどころは全て押さえてある作品です。しかしハイレゾ特有の空気感みたいなものまでは伝わってきません。"If I Should Die Tonight"にヘンテコなイントロが付け加えられていること等アイデアもあり、悪いリイシューなどでは勿論ないのですが、これではハイレゾのメリットが少ないと感じてしまいます。

結局ハイレゾが今ほど一般的でなかった時代の録音作品については、リマスターさえすれば良くなるというものではなく、ジャンルや音源、録音の質、意図等によって効果に差が出るということなのでしょう。またリマスター職人の技量、機材によっても変化しますが、個人的にはハイレゾの恩恵については、特にジャンルに左右されるという印象です。


※ ※ ※


さて本題です。以前も取り上げたことがあるfinalのE3000。柔らかくて音の余韻がたまらない極上の仕上がりで、購入以来ずっとお気に入りイヤホンの一つです。しかしながら聴いているうちに、中音域はともかく、高域ならびに低域の音に少しだけ不満が出てきました。正確に言えば、不満というよりこの良い音にもう少しだけ色を付けたい、変化をさせたいという思いです。特に低音がやや団子状態で、分離が悪く聴こえるところは気になっています。

そこで効果的にリケーブルといきたいところですが、製品の性質上当然難しい状態です。そこで専門店に依頼してプラグの付け替えをしてもらいました。プラグは低音に定評のある(見た目も好みの)独Viablueの3.5mm。これを選択し、使用するハンダについてはプラチナ入りとし高域の色付けを狙いました。

果たしてこんなことで音が変わるのか?と疑心暗鬼でしたが、やはり変化がありました。組み合わせた上流はALO The National Amp。既に生産されていない古いアナログアンプですが、このアンプの特徴である立体的な音に合わせてみました。するとややボワつく印象であった低域については、厚みはそれほど変わらないものの、あきらかに低域層の分離感が増しており、聴いていて躍動感が感じられます。

例えばBill Evansの名盤Trio 64では、Paul Motianのタイトなドラミングがピシっと決まります。派手さはなくともこういう主役を支え、立場をわきまえたかような音がピアノトリオには実に合いますね。E3000改は懐が深くなっており、この相性はもう見事です。高域についてはオリジよりキレが増して聴こえてきます。互いの特徴が見事に合わさって、古いSoul、Jazzなどを聴くのが楽しくなりました。

今現在手持ちのイヤホンの中では、KlipschのX10がお気に入りで使用頻度が高くなっています。X10は既に廃番ですが、とても色気のある音色で、他のイヤホンとは全く違う音世界が楽しめます。見た目も含め派手さは全くありませんが、ずっと聴いていられる音作りです。改プラグを施した私のE3000については、X10ほどではありませんが、音の色気のようなものが少し備わったように思います。

E3000は使い過ぎにより既に擦り傷だらけですし、ケーブルも細くて心許ない状態です。ですが、今のこの音こそが望ましい変化で、時間を掛けてゆったり音楽を聴くのに適しています。最新のハイレゾ録音をド派手なIEMで聴いて耳が疲れるよりも、中音域を中心に描く落ち着いた音のイヤホンで、古くても味がある録音を聴くほうが私には合っているようです。

私の好みの音は、中音域が中心となって形成されるアナログ的で太い音。太いといっても高音低音が丸く解像度が低いという意味ではありません。それぞれがある分だけ、また必要なだけ勿論出力されてほしいのですが、それ以上(不自然なほどには)聴こえてきてほしくないという意味です。つまりハイレゾ成分?についてはそれほど必要としていません。

また各音域の繋がりが何よりも重要です。強調された音域があると、確かに聴き始めは楽しいのですが、じきに耳が(あるいは脳が)聴き疲れてしまいます。ハイレゾでいえばPCM音源よりDSD音源のほうが好みです。また音源が44.1kHz/16bitであってもアップサンプリングすることなく、そのまま素のファイル状態のままで聴くようにしています。これは冒頭で記述していた私に(私の年齢に?)合っている自然な音でという意味です。

音楽媒体がハイレゾになり、クリアーで高解像度になればなるほど音が良くなる。これは間違いないのでしょうが、一方で古い音源を聴く場合はモコモコしたアナログ的な篭った音、音質がクリアーになり過ぎるのも違和感を感じます。ある程度アナログ感を残してあることにより、よりリアルなものとして耳が捉えているようです。

例えるならば、これは映画の24コマ問題とも同じなのかと思います。4K、8Kの超高画質時代に突入し、今話題になっているフレーム補間問題ですが、あれは私もシネマモードでしか観ませんので、Tomの意見に完全に同意しています。そうなるとそのうち私も、やっぱりJazzについては50年代のモノラル盤が最高なんだよね~っと言いはじめるような気さえしてきました。


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結局、やはり好きな音楽を(自分好みのアナログ的な)良い音で聴くということ。そのために色々あーだこーだやっていますので、冒頭の飽きてきたという表現はちょっとニュアンスが違います?

困ったものですが、まあこれもまた一つの趣味になっていますので、仕方がないということでしょう。あまり家族に迷惑を掛けない範囲で、これからもチマチマ構築してゆきたいと考えています。

# by olskooljam | 2019-01-13 13:10 | Audio