Miles Davis

d0056703_17121381.jpg
Relaxin’ (1956)

Miles Davisを聴くということ。それは何だか特別な感覚があり、思わず正座したくなるような緊張感が漂います。しかし中にはこのような作品もあるのですね。1956年のPrestige録音。非常に柔らかい印象の、題名通りリラックスした音源集。

ピアノはRed Garland。ドラムのPhilly Joe Jones、ベイスのPaul Chambersとの連携はもう抜群であり、けしてMilesの前に出過ぎないわきまえぶりには頭が下がります。Milesはといえば絶好調にミュート。素晴らしい阿吽の呼吸。若きColtraneは何だかひたすらに豪放。それもまたヨシ。

曲の前後で、RVGスタジオでの会話まで収録されていますが、それもまたこの音源の良さかと認識しています。ただ欲を言えば、もう少し良い音質で残しておいて欲しかったかなあ。とはいえ1956年のヴィンテージ録音ですから、これはこれでこの音質だからこそまた味わいがあり、良いのかもしれません。ベテランのJazzリスナーになると、あえてMONO音源を探し出し、突き詰めた最高のオーディオ環境で聴くくらいですからね。私はその境地にはまだまだ達していません。

そういえばソウルの世界においては、例えばゴッドファーザーJames Brown。JB研究の第一人者として有名なCliff White氏は、JBの特にMONO音源が好みらしいですね。モノ録音は、当然ステレオのようなセパレーションはスポイルされるものの、何とも言えず生々しく、そして迫力があります。しかし貧弱な装置で再生すると、本当に貧弱な音で楽しくないというのが私の印象です。とはいえDoowopなどは、モノであるからこそのあの雰囲気。あれはあれでラジオから流れてくると、すんなりと楽しんで聴いてしまいます。

CDの先にハイレゾという言葉が存在するような現代。何年か前に古いハリウッドの白黒映画を、現代の技術を持ってカラー化するというような、大胆且つ批判を浴びた企画がありましたが、こと音楽の世界においてはどうでしょうか。

リマスターのその更に先には、新しい革命的な技術が開発され、モノ音源をステレオ化し、楽器ごとに自然なサンプリングが施され、そして現代の録音として奇跡的に蘇る!そんな(バキみたく)漫画のようなことが実現されるかもしれません。そしてその更に先にはまた揺り戻しがあるかもしれません。その時に聴く音楽はといえば、この作品のように、けして音質だけでは語れない何かがあるのかもしれませんね。



[PR]
by olskooljam | 2017-05-25 17:39 | Jazz
<< Prophet Jones Diana Krall >>