Miles Davis

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Bag's Groove (1957)

ふと気付けば、最近ポタオデばかりで(やや分析的に)音楽を聴いているので、今日はお気に入りのCAS-1で、ゆったりMilesのこの録音を聴いています。

俗にいう喧嘩セッション(※)ですか。1957年(録音は1954年)の音源ですから、音質についてはとてもHIFIとは言えませんが、緊張感あふれる録音現場だったのがジワジワと伝わってきます。当然メンバー全員が凄腕な訳なので、やりやすい曲、場面もあったのでしょうが、どの曲もMilesのトランペットが入ってくると、とたんに緊張感が増して聴こえてきます(※のちにMiles自身がメンバー間の軋轢を一応否定しています)。

タイトル曲は緊張感の極み。各ソロパートにおいてもPercy Heathの低く、そしてよく響くベースが支え、重厚感タップリです。その中では、"But Not For Me"辺りは比較的穏やかな演奏で、一番リラックスして聴くことができます。しかし良い演奏揃いです。

イヤホンでじっくりと聴くJazzもいいですが、開放感溢れるブックシェルフ型SPで聴くのもまた格別。



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# by olskooljam | 2018-01-20 16:50 | Jazz

oppo HA-2SE

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ポータブル・オーディオの世界ではトレンドがドンドン移り変わっており、現在はワイヤレス化が一つのキーワード。最近のiPhoneではイヤホンジャックそのものが廃止されており、それが更に拍車を掛けているような状況かと思います。ワイヤレスは本当に便利ですからね。

とはいえ音楽好きにとって大事なのは、まずはその音質。どこで満足するかによるのでしょうが、無線化の本格的な高音質化については、今の流行りよりもう少しだけ先のような気がします。そうなりますと旧態然としていますが、基本となるDAPの選出が重要ですよね。私も結構な数のDAPを手に入れ聴いてきましたが、決定的な一台にはいまだ巡り合えておりません。

DAPにおいて個人的に重要視している項目の一つが、UI。音質は勿論大切なのですが、普段使用していてストレスフリーな環境、画面、操作性であることは、意外とその満足度に影響するものです。でもそうなれば、UIの洗練されたApple製品がベストの選択になってくるのは揺るぎ無い事実。ところがiPhone直刺しの場合、騒がしい街中であれば意外と気にならないものの、静かな環境でじっくり聴くとなると、とたんに貧弱な音に聴こえてしまいます。

そこで導入したのが写真のポタアン。AV好きならば知らないもののいないoppo社が、ポタオデ部門に投入した名機HA-2の2ndヴァージョンです。手帳型の薄い筐体で、地味な見た目ですが、DACチップにESSの「ES9028Q2M」を採用。384kHz/32bitまでのPCMデータおよび12.2 MHz (DSD256)までのDSDデータの再生に完全対応。ちょっとこのサイズではありえないスペックですね。私はこれをあまり使わなくなったiPhoneと組み合わせて使用しています。

使い勝手ですが、基本的に直接触れるのは使い慣れたiphone側のほうですので、全くのヌルサクでありストレスはゼロ。ポタアンで触るとすれば、適度なトルクが感じられるヴォリューム部分だけです。

肝心の音質についてですが、これが無色透明の世界。バックグラウンドノイズ、ホワイトノイズはほとんどなく、全くの無音状態から突如音楽が流れだすようなイメージです。目を閉じ聴けば、そこに現れるのはステージ上で演奏するミュージシャンの姿。まるで実際にそこにいるような、奥行きの深さと程よい残響感、空気感。私の聴くのはハイレゾ音源ではなく、CD音源が中心なのですが、目の前にパーっと広がるようなステージ感は、単体DAPでもなかなか聴けない特別な感覚があります。

組み合わせるアプリは定番ですが、やはり安定のKaiserTone。このアプリは数年前から存在しますが、いまだにアップデートがされ続けているという驚異的なものです。イヤホンについては色々組合せましたが、リスニング的な味付けというか、機器固有の個性的な音色がそれほど感じられませんので、Ha-2Seならば正直何でも合うような気がします。

写真に写っているのは、Etymotic Reserch社の名機ER-4S。超ロングセラーながら、最近ようやく廃版?らしいようですが、最新のSRやXRより、むしろこちらの4Sのほうが好みという方もみえるようです。4Sは極端に狭い音場の中で独特の中高音(と締まった低音)を聴かせますので、ちょっとした中毒性があるのですが、装着方法がこれまた独特ですので、慣れるまでに時間が掛かります。しかしながらボーカルを中心に聴く人には、これしかないというくらいメチャメチャ人気があります。

HA-2SEにはゲイン変更機能がありますが、ハイゲイン、ローゲインのどちらも質が高く、そして出力が稼げますので、音量の取りづらいということで有名な4Sにおいても、ロー側で充分対応可能です。

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Wes Montgomery - So Much Guitar (1961)

古い録音ですが、非常に充実した内容であり、音質についてもそれほど悪くはありません。Ha-2Seと4Sの組み合わせで聴くバラード"While We're Young"と"I Wish I Knew"。メロウで暖かい音色のギターが、程良い広さの空間にシットリと溶け込んでいきます。

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Norah Jones - Come Away With Me (2002)

オーディオ・ファイル御用達の定番作品ですが、これもまたHa-2Seと4Sの組み合わせにピッタリ。元々ヴォーカルが近い"Seven Years"などは、Norahが耳元で囁いているかのようにリアル。大好きな"The Long Day Is Over"でのスライドは、まるで古き良き70年代のアメリカ映画を観ているかの如く響きます。解像度も文句ナシ。

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El DeBarge - Heart Mind and Soul (1994)

メロウ職人Babyfaceと組んだ永遠のメロウ作品。奇跡的な完成度を誇る90's R&Bを聴かせますが、これも一回聴き出すと終わらないので困ります。全編ファルセットで通す"You Are My Dream"や、タイトル曲のコンガなど最高に気持ち良く、極端にミニマムで精緻な唄世界が聴けます。


※ ※ ※


ER-4S独特の世界も好みですが、このポタアンに意外と良く合う手持ちのイヤホンは、実は先日取り上げたfinal E3000。抜群の透明度を誇るポタアンとマッタリと濃厚なDDイヤホンの組み合わせ。一見相反するように思いますが、この組み合わせがもう相性が良すぎて、ちょっと中毒気味です。というよりポータブル・オーディオ自体に中毒性があるということなのでしょうね。まだしばらくこのミニマムな音世界で楽しめそうです。

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# by olskooljam | 2018-01-16 21:32 | Audio

olskooljam classics vol. 298

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Glenn Jones - All I Need To Know (1987)

新年、明けましておめでとうございます。私は思わぬアクシデントがあった為、ひたすら身体を休める日々ですが、音楽だけは聴いています。

この曲実は、1989年にLinda Ronstadt & Aaron Nevilleが大ヒットさせたあの"Don't Know Much"(オリジは1980年で作者Barry Mann自身が唄っています)のタイトル違い同曲。どういう訳かあまり語られることがないようですが、ソウル新伝承派のグレジョンは何とそれより2年も前に、既にこの名曲を唄っていたのです。

ヒットした1989年。私はもう既にGlenn版のCDを2年前に購入し聴きまくっておりましたので、Glennが今一ブレイクしない現実を受け止めきれず、大変に悔しい気持ちでいたものです。ただAaronも大好きですので複雑ではありました。

Glenn版は丁寧なアレンジとミックスにより、オケ自体は完璧な王道バラード仕立てであり、取り立てて大きな文句はありません。また中盤~後半にはゴスペル隊を組み込み、壮大な雰囲気で最終章まで突入します。期待の唄い込みについてはまずまずというところですが、後半のアドリブ崩しは、やはりこの世界の第一人者たる風格。その高揚感たるややはり別格!
 
今年もやはりソウル・ミュージック。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。



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# by olskooljam | 2018-01-03 23:40 | olskooljam classics

final E3000

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finalのイヤホンについては数年前からずっと気になっており、いつか購入しようと決めていました。しかし何度試聴をしてもこれだ!という決め手、モデルがなく、また価格帯が相当に上位のモノが多く、しかもリケーブルは不可能。この敷居はとびきり高いなというのが正直な印象でした。

新シリーズのFについては、3100が自然なバランスで好みの音作り。シングルBA方式は本当に魅力的なので迷いましたが、これは残念なことに装着感が合わず。超小型のハウジングが最高に好みなのですが、何故か耳への収まりが悪く、単純にどうしても合わないという耳型相性問題が発生。SoulやFunk、Jazzを中心に聴く私にとって、果たして一体どれが正解なのか分からないまま月日だけが過ぎ去っていました。

結局、何度も試聴し購入したのは写真の安価なE3000。昔ながらのDD一発式で、ハウジングはステンレス製。ケーブルは細く今にもちぎれそうな弱々しいものですが、余り絡まらず取り回しについてはまずまずです。見た目も含め、全体的にfinalにしてはかなり地味な仕上がりですね。中年が所有し日々使用するモノとしては、これくらいの中庸で落ち着いたデザインが良いのでは?と感じています。個人的に大事にしている装着感については超優秀。普通に耳の中に入れるだけでポジションが一発で決まり、快適そのものです。

音質というか音作りについてですが、これが私には実に不思議です。最新のいわゆるドンシャリと表現されるような、くっきりと派手なイヤホンやIEMとはまるで傾向が違います。まったりと全音域が繋がっていくと言いますか、絹のような滑らかさと表現できるような、非常に優しい出音。刺激的な音など一切出てきません。それでいて、では解像度が低いのかといえばけしてそうでもなく、まずまず細部まで見通せるような懐の深さまで持ち合わせています。

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Temptations - For Lovers Only (1995)

Tempsの1995年のAlbum。AliとTheoという稀代の名シャウター2名を配した豪華すぎる逸品ですが、E3000との相性が抜群。唄もコーラスも少し耳元から離れて聴こえてきますが、音場が広く、余韻までたっぷりと描き出します。ソウル・ハーモニーの素晴らしい唄世界を堪能できます。ウットリするような深いエコー感。絶妙な味付けですね。

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Donny Hathaway Live (1972)

定番中の定番。元々、まったりとした暖かい音色のハモンドが気持ち良すぎる作品ですが、これもなかなか合いますね。ホールエコーと言いますか、実際に会場の中で聴いているような、何とも言えない自然な音の広がり具合が堪能できます。但し、主役Donnyの唄声についてはちょっと滑らかな表現過ぎて、あの艶やかさまでは感じ取れない印象。メーカー推奨のエージングがもう少し進めば、ある程度変わってくるのかなという気もします。

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Gang Starr - Full Clip (1999)

タイトル曲はHip-Hop Classic。こんなブレイクビーツ一発の楽曲などは、まるで合わないだろうと思っていましたが、予想外の結果。反復するドラム・ブレイクが気持ち良すぎて相当ヤバいです。モコモコなGuruのラップについても、E3000ではより深く響き渡ってきます。

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Diana Krall - When I Look In Your Eyes (1999)

またしてもDianaの盤。元々、優秀録音盤として有名ではありますが、まるで海の底から聴こえてくるようなミックスがやはり絶品。E3000は音に対する追従というか、スピード感という意味ではちょっとイマイチという印象ですが、ここではそれが逆に作用。ゆったりとした楽曲群と最高すぎる相性をみせます。静かな環境でいつもよりボリュームを絞って聴けば、より深くJazzヴォーカルの世界へ入り込めます。他のイヤホンで聴けばまた違った印象でしょうが、これはこれで一つの完成されたヒヤリングのような気がします。

E3000はこの価格帯なのに、ピュア・オーディオ的な感覚で聴けるという全く稀有な存在。各社の賞を受賞するに相応しい、大変に素晴らしい仕上がりのイヤホンかと思います。

視聴環境
・CAS-1- JRMC - E3000
・iPhone 4s - KaiserTone -
ALO SXC Cryo 22awg Dock Cable - FiiO A5 - E3000
・iPhone 5s - KaiserTone - oppo HA-2SE - E3000
・iPhone SE - KaiserTone - E3000


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いかがでしたか。相変わらず不定期更新であったこのブログも、これで今年の更新は終わりです。いつもROM頂けている方にはただただ感謝の一言です。有難うございました。私はといえば、最後の最後までいろいろあった反省だけの一年でしたが、心機一転の気持ちで新年を迎えたいと思います。皆様も良いお年を!

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# by olskooljam | 2017-12-31 14:30 | Audio

Herbie Hancock

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Empyrean Isles (1964)

Jazz史、文脈において定番でもあるこの作品は、一体どのような位置づけなのでしょうね。有名なのはもちろん「処女航海」なのでしょうが、個人的には圧倒的にこちらが好みです。

1曲目"One Finger Snap"から物凄い疾走感!けたたましく鳴り響くTony Williamsのハイハット。Ron Carterの心臓音のようなベイス。コルネットのFreddie Hubbardも豊富で印象的なフレーズを連発。Hip-Hop好きならば一度は聴いたことがあるメロディーが、随所にちりばめられている作品でもあります。

年齢を重ねるたび、トランペットやサックスといった管楽器の音色や、そこに込められた感情が、以前にも増して沁み渡ってくるようになりました。食事でも「美味しい」と思えるものが徐々に変わってくる世代ですが、それは音楽でも一緒なのかもしれません。



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# by olskooljam | 2017-12-02 16:20 | Jazz